信託を活用した再生可能エネルギーの推進と普及への貢献

信託を活用した再生可能エネルギーの推進と普及への貢献

三菱UFJ信託銀行では、国の成長戦略上の目標でもある再生可能エネルギーの最大導入・民間資金を活用した中長期の成長資金の供給促進に貢献するため、信託の機能を活用した様々な取り組みを行っています。

R&D目的投資で「再生可能エネルギー案件」への出資を継続
「再生可能エネルギー投資ファンド」組成を目指し、自己資金による匿名組合出資(「R&D目的投資」)を実施しています。国内各地で太陽光発電等への出資を進め、本年9月末時点で出資額は900億円以上となりました。

再生可能エネルギー発電事業者からの太陽光発電設備の信託受託
再生可能エネルギー発電事業者へ資産管理を目的とする信託スキームの活用をご提案するなどの取り組みを行っています。その一例として、電力固定価格買取制度を適用した太陽光発電設備の信託があります。このスキームは、例えば、事業法人または個人等が所有する遊休地や不動産ファンドなどの投資家が所有する複数の不動産物件の屋根などに、特定目的会社が太陽光発電設備を設置し、その設備につき信託を設定するというものです。

【特徴】
本件出資により、年間を通じて一般家庭約76,000世帯分に相当する電力の供給と共に、年間約214,000トンのCO2排出量削減が期待できます。

信託銀行が複数の発電所を一括して信託受託する事で、投資家は、各地域の日射量の相違による設備の発電量の不足などのリスクを分散できる上に、不動産以外の新たな収益源を確保することも可能となっています。

少子・高齢化社会への対応 ~金融商品・サービスの拡充と調査・研究活動~

三菱UFJ信託銀行は、日本の少子・高齢化がもたらす社会課題の解決に向け、金融商品・サービスの拡充や調査・研究活動に積極的に取り組んでいます。

代理出金機能付信託「つかえて安心」
三菱UFJ信託銀行は、高齢者が保有する金融資産の規模増大や認知症患者の増加への対応として、2019年に代理出金機能付信託「つかえて安心」の取り扱いを開始しました。
本商品は、認知症等により契約者の判断能力が低下・喪失した場合でも、家族等が代理人として資金を払い出すことができ、その使いみちを代理人以外の家族も見守ることができる信託商品です。取り扱い開始以来、申し込みは8,000件(注)を超えました。

(注)MUFGファンドラップで運用している資金を代理人が解約でき、「つかえて安心」に入金することができる「つかえてラップ特約」も含んだ件数

つなげるとうしん(生前贈与型/資産承継型)
三菱UFJ信託銀行は、2022年7月に個人のお客さま向けの新たなサービス「つなげるとうしん(生前贈与型/資産承継型)」の取り扱いを開始しました。
本サービスは、教育資金や住宅資金等への支出により、運用するための余裕資金が十分ではない現役世代が贈与資金を活用して早期に投資信託で運用を開始できる「生前贈与型」、ご相続が発生した際に相続対象の投資信託を現金に換金することなく、次の世代が投資信託での運用を継続できる「資産承継型」の2つのコースがあり、長期に亘る資産運用の実現に貢献できる新たなサービスです。

MUFG相続研究所
三菱UFJ信託銀行では、高齢化社会における資産管理、次世代への円滑な資産承継に関する調査研究を行う「MUFG相続研究所」を設立しています。
2021年度には、人生100年時代の資産承継をテーマに相続に関する意識調査を踏まえた第1回相続シンポジウムを開催したほか、機能低下など高齢化社会での課題を見据え、産官学でデジタル活用含めた今後の取り組みにおける意見交換などを行ってきました。今後もシンポジウムや各種レポート・コラムの発行など、円滑な資産管理・資産承継という社会的課題の解決に向け、実践的な情報提供を中立的な立場で行っていきます。

「金融ジェロントロジー(金融老齢学)」の研究
三菱UFJ信託銀行では、加齢による認知機能の変化が経済活動や金融行動にどのような影響を与えるか分析し、高齢者が自分自身の望む形で資産を活用できるサービスを研究する学問である「金融ジェロントロジー(金融老年学)」の研究を進めています。この研究を通じて、認知機能低下に備える商品の開発や、お客さまの健康、長寿実現に貢献していきます。
2022年度には、将来のさらなるサービス向上に向けて、認知機能の判定技術や遺言についての理解力チェックの仕組み等、高齢化社会の課題解決に資する商品?サービス実用化をめざし、産学共同研究にかかる実証実験を開始しました。

信託を通じた環境保全

三菱UFJ信託銀行では、「多様な生物が共存する豊かな自然を次世代につなぎたい」というお客さまの想いを、金融商品「野鳥と緑の信託」を通じてお手伝いをしています。
この商品はお客さまからお預かりした金銭信託の収益金を、自然保護団体「公益財団法人日本野鳥の会」に寄附するとともに、決算収益金と同額を三菱UFJ信託銀行が拠出(半年で下限50万円・上限250万円)し、お客さまの環境保護への想いをサポートしています。

【特徴】
「野鳥と緑の信託」に合計で100万円以上のお預け入れをいただき、「自然保護への想いを記念として残したい」とお考えのお客さまには、北海道根室市の野鳥保護区を一望できる場所に設置の石碑に、ネームプレートを掲示するサービスもご提供しています。

事業外活動を通じた社会課題解決 ~生物多様性保全に向けた取り組み~

三菱UFJ信託銀行は、2022年3月、山梨県富士河口湖町、小立財産区管理会、富士北麓森林組合と森林整備協定を締結、山梨県南都留郡富士河口湖町小立にある1.67haの山林を「ピーターラビットTM未来へつなぐ森」と名付け、新たに森林・水源保全を通じた生物多様性保全に向けた取組みを開始しました。
これまで、2009年5月に同様の協定を結び埼玉県長瀞町で森林保全活動を実施して参りましたが、新たな森林を育む活動に取り組みます。
森林は国土の保全、生態系の保全、地球温暖化の防止など様々な働きを持っています。とりわけ水源地域の森林は水資源の貯留、水質の浄化などいわゆる水源かん養機能を発揮することにより、安全で良質な水の安定的な供給に重要な役割を果たしています。
これからも役職員一同、森を慈しみ健全な森林を整備していくことが大切だと考えています。

株価指数「JPX日経インデックス400」への連動を目指した投資信託の開発・運用

当社は、株価指数「JPX日経インデックス400」の公表開始(2014年1月6日)を受け、同指数への連動を目指した「ダイワJPX日経400ファンド」(同年1月6日)、「ダイワ・インデックスセレクトJPX日経400」(同年1月31日)、「ダイワ上場投信-JPX日経400」(同年3月26日)を設定しました。
同株価指数の銘柄選定基準に、ROEの水準や企業統治・情報開示の状況などが含まれていることから、これらの投資信託の運用が、日本企業の資本効率や企業統治水準の改善、ひいては企業価値の向上と持続的な成長に資するとともに、インデックスファンドの投資家への新たな投資機会の提供を通じ、株式市場の活性化につながることを期待しています。

株価指数「MSCI日本株人材設備投資指数」への連動を目指した投資信託の開発・運用

当社は、「投資者が持続的成長を期待できる」新しい株価指数に連動する投資信託「ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数」を、2016年5月18日に設定し、同年5月19日に東京証券取引所へ上場しました。
同ファンドが利用する「MSCI 日本株人材設備投資指数」は、当社が当初より運用を行う目的でMSCI が開発した「投資者が持続的成長を期待できる」新しい株価指数です。設備投資と人材投資に積極的に取り組んでいる企業を選別し、更にコーポレート・ガバナンスとROE 等の収益性に優れる企業を重視します。また、過去の実績だけではなく持続的成長の観点を取り入れるため、ESG を活用しながら銘柄の選定やウェイトの決定を行います。持続的成長を期待できる銘柄の選定により、世界中の様々な投資家のご期待に応えるパフォーマンスを目指します。

「ESG投資方針」の公表

当社は、2020年1月に当社のESGに関する基本的な考え方であるESG投資方針を開示するとともに、同年9月に当社が投資先企業に求めるESGに関する重要課題(マテリアリティ)についても開示を行い、2022年11月にはマテリアリティの改定を行いました。
また、2014年6 月25 日に公表し、2022年11月に改定を行った「企業等との建設的な対話の方針」においても、「経営戦略に対する観点」「投資家との対話・情報開示に対する観点」「環境・社会・ガバナンス(ESG)に対する観点)」の3つの観点につき、重点的に投資先企業との対話を深めていく旨を宣言しています。

当社スチュワードシップ活動については、当社ウェブサイトの以下をご参照ください。
https://www.daiwa-am.co.jp/company/managed/result.html

ESG投資商品の新規組成

【iFree 全世界株式ESGリーダーズ・インデックス】
2022年5月10日に、日本を含む世界の株式に投資し、投資成果をMSCI ACWI ESG Leaders指数(円ベース)の動きに連動させることを目指した「iFree 全世界株式ESGリーダーズ・インデックス」を設定いたしました。MSCI ACWI ESG Leaders指数は、先進国と新興国からなる全世界の株式の中から、ESG評価(環境:Environmental、社会:Social、ガバナンス:Governance)が高い企業の株式を抽出し、時価総額で加重した指数であり、ESG評価の優れた全世界の株式の動きを表す代表的なベンチマークです。

Net Zero Asset Managers initiative(NZAM)への参画

当社は責任ある投資家として、パリ協定の目的達成に向けたアプローチとしてのその主旨に賛同し、2021年12月にNet Zero Asset Managers initiativeに署名いたしました。 Net Zero Asset Managers initiativeは、2050年までの投資先企業の温室効果ガス排出量ネットゼロを目指す資産運用会社によるグローバルのイニシアティブであり、 2020年12月に発足しています。
受益者利益の維持・向上を目指すには、ネットゼロへの取組みを投資先企業等へ促し、事業環境におけるリスクの低減や、新たなビジネスチャンスによる企業価値の維持・向上を図ることが必要不可欠であり、同時にその取組みは、社会の持続可能性の維持・向上に繋がるものと考えています。Net Zero Asset Managers initiativeと協働し、投資先企業等と建設的な対話を行い、その実情を踏まえた上で対応を促してまいります。

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参画

当社は、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、国連開発計画(UNDP)、世界自然保護基金(WWF)、および Global Canopy により2021年6月に正式に発足した、自然関連の財務情報を開示する枠組みの開発・提供を目指す国際イニシアティブである、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の趣旨に賛同し、TNFDの議論をサポートするTNFDフォーラムへ参画しました。
生物多様性への取組みに関する新たな世界目標の採択に向けて、国際的な議論が加速しているなか、企業には、自社の事業活動が自然環境に及ぼす影響等について情報開示を求める機運が高まっています。このような状況を踏まえ、大和証券グループ本社および当社が同時にTNFDフォーラムへ参画することにより、TNFD が目指す「ネイチャーポジティブ」(自然への良い影響)へ資金の流れを転換する取組みを、グループを挙げて推進してまいります。

“Statement on Fiduciary Duty and Climate Change ...

当社は、CDSB(Climate Disclosure Standards Board : 気候変動開示基準委員会)とUNEP FI(国連環境計画・金融イニシアチブ)が共同で策定した、“Statement on Fiduciary Duty and Climate Change Disclosure”(受託者責任と気候変動情報開示に関する声明文)の趣旨に賛同し、同声明文への署名を行いました。
同声明文は、気候変動による企業の業績や投資パフォーマンスへの影響が今後も高まっていくとの認識のもと、企業に対し、年次報告書等の開示書類において、包括的で比較可能な気候変動情報の開示を促すことを目的として、2014年9月23日(国連気候サミットの開催日)に、CDSB のウェブサイト(http://www.cdsb.net/)で公表されました。

国連責任投資(PRI)への署名

当社は、運用会社としてESG(環境・社会・ガバナンス)投資に率先して取組むべきと考え、国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEPFI)が提唱する「責任投資原則(PRI)」の趣旨に賛同し、2006年5月の公表後、速やかに署名しました。
コアビジネスである資産運用業務を通し、持続可能な社会の実現に貢献することは、当社の責任であると考えており、企業のESGに関する取組みを総合的に勘案して投資判断を行うために数々の努力を重ね、責任投資(RI)の広範な実践を推進しています。

株主満足度の最大化に積極的に取り組む日本企業の株式に投資する投資信託の開発・運用

当社は、株主満足度の最大化に積極的に取り組む日本企業の株式に投資する投資信託「ダイワ新成長株主還元株ファンド-株主の微笑み-」を、2014年9月18日に設定しました。
同ファンドは、直接取材等を通じて企業リサーチを行うことにより、機関投資家との対話に前向きに応じていると判断できるとともに、中長期的な利益成長が期待できる銘柄を投資候補銘柄としています。また、投資候補銘柄の中から、以下の点に着目して組入候補銘柄を選定しています。

・自己資本利益率(ROE)の改善
・配当金の増額による株主還元
・自社株買いによる株主還元

J-REIT初となる「サステナビリティ指標連動報酬」の導入

当社及び本投資法人はサステナビリティ指標連動報酬(資産運用報酬)を制定しました。

【特徴】
当社に対する資産運用報酬につき、本投資法人保有物件の温室効果ガス(GHG)排出量削減及び本投資法人のサステナビリティの取り組みに関する外部評価向上を促すことで投資主価値の向上を図ることを目的として、サステナビリティ指標に連動して資産運用報酬の額を増減させるものです。

サステナビリティボンドの発行

本投資法人は、大和ハウスグループの「共に創る。共に⽣きる。」の基本姿勢を共有し、ESGへ配慮した不動産投資運用の更なる推進を図るべく、グリーンボンド発行を含むグリーンファイナンスを実施します。

【特徴】
本投資法人は、グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として株式会社日本格付研究所(JCR)より「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green 1(F)」の評価を取得しています。

環境認証の取得推進、J-REIT初となる最高評価の『ZEB』を取得

環境認証取得
DBJ Green Building認証:27物件、延床面積約1,469千m2
CASBEE不動産評価認証:12物件、延床面積約912千m2
BELS評価:46物件、延床面積約2,061千m2

合計:53物件、延床面積約2,373千m2(ポートフォリオ全体に占める比率66.5%)
※2022年1月6日時点

【特徴】
本投資法人の保有物件における環境認証の取得割合(延床面積ベース)を2030年度までに70%以上に引き上げていく方針です。なお、2021年12月に物流施設のDPL流山Ⅲにおいて、BELSの最高評価である5つ星に加えて、J-REITとして初めてZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の最高評価である『ZEB』を取得しました。

ウェブサイトにおける情報開示

当社および本投資法人は各々のウェブサイトにおいて情報開示を行なっています。

■当社のウェブサイト
https://www.dh-am.com/esg/
■本投資法人のウェブサイト
https://www.daiwahouse-reit.co.jp/ja/sustainability/index.html
■サステナビリティレポート
https://www.daiwahouse-reit.co.jp/ja/sustainability/report.html

環境への取組み

資産運用業務における省エネルギー、温室効果ガス(GHG)排出削減等を重要な環境課題として認識し、個別のポリシーを設け、環境負荷の低減を図っています。また、エネルギー消費量の削減目標(中長期目標)について以下のとおり定めています。

[中長期目標]
個別物件について、2018年から2027年の10年間でエネルギー消費原単位及びCO2排出原単位を10%削減

【特徴】
目標達成のために省エネルギー、温室効果ガス排出削減、節水、廃棄物管理等のポリシーを運用するための詳細を規定する「EMS運用マニュアル」を制定しており、本投資法人の保有物件の運用におけるエネルギー消費、GHG排出、水消費、廃棄物に関する環境目標設定(PLAN)、実績把握(DO)、予実分析(CHECK)、対策実行・改善(ACT)の取組みを行なっています。

ステークホルダーエンゲージメントの推進

本投資法人は、投資主をはじめ保有物件のテナントや地域社会、サプライチェーンのほかに、当社の役職員及びスポンサーを含む多様なステークホルダーとの関わりを通じ、事業活動等を行っています。 ステークホルダーとの長期的な関係の構築並びに積極的なコミュニケーションを通じて、サステナブルな成長を目指します。

【特徴】
投資主 :決算説明会、投資主向け説明会の開催など
地域社会:都市部の既存開発地域への投資、地域の雇用創出など
テナント:満足度調査、協働プログラムの実践など
サプライチェーン:プロパティ・マネジメント会社及びビル・ファンドマネジメント株式会社への継続的な評価、ESG研修の開催など
役職員 :ダイバーシティ&インクルージョン、人材の育成など
スポンサー:大和ハウスグループのバリューチェーンの活用、パイプライン・サポートなど

CDPサプライヤー・エンゲージメント評価

CDPサプライヤー・エンゲージメント評価は、気候変動に対するバリューチェーン全体での企業の取り組みを、「サプライヤーとの協働」、「ガバナンス」、「スコープ3排出量」、「目標設定」の4つの分野の質問への回答内容及びCDP気候変動プログラムのスコアから評価します。
本投資法人は2020年からCDP気候変動プログラムに参加しており、この度、2年連続で最高評価のサプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボードに選出されました。

【特徴】
2021年の評価においては、評価対象企業のうち上位8%に該当する500社超(うち、日本企業105社)が、特に優れた取り組みを行っている企業としてサプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボードに選出されました。