TCFDへの賛同表明

TCFDへの賛同表明

当協会は、企業の気候関連財務情報がスチュワードシップ活動においても今後さらに重要視されるものと考え、会員の更なるスチュワードシップ活動の推進をサポートすることで、我が国のインベストメント・チェーンにおける好循環の創出、および持続可能な社会の実現に貢献するため、2019年2 月7 日、金融安定理事会(FSB)によって設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同の意を表明しました。

スチュワードシップ・コードの対応等に関するアンケートの実施

会員の日本版スチュワードシップ・コードに対する受入れ表明状況および会員の体制整備状況等の把握を行い、実効性あるスチュワードシップ活動の普及・定着を図ることにより、日本におけるコーポレートガバナンスの向上に貢献することを目的として「日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関するアンケート」を毎年実施しています。当アンケートの結果は、協会ホームページへ掲載することにより公表しています。また、当アンケート結果については、金融庁を訪問して説明し、意見交換を行っています。

スチュワードシップ研究会の開催

投資先企業との建設的な対話を通じた中長期的な企業価値の向上等に積極的に貢献するために、当協会が2011年10 月から開催してきたコーポレートガバナンス研究会における議論、意見、提言等を高度化し、スチュワードシップ活動におけるベストプラクティス等を協会会員と共有するとともに、政府の関係機関等における議論などに貢献していくことを目的として、2018年1 月から、「スチュワードシップ研究会」を組成しています。当研究会の議事録等は、協会ホームページへ掲載することにより公開しています。

【2018年度】
ゲスト・スピーカー:オムロン株式会社 取締役 安藤聡氏
テーマ:「オムロンにおける企業価値創造の取り組み~投資家によるエンゲージメント活動への期待~」

【2019年度】
ゲスト・スピーカー:高崎経済大学副学長、同大学経済学部教授 水口剛氏
テーマ:海外のESG投資の動向と日本への示唆

資産運用業協議会の開催

金融行政方針等に、家計の安定的な資産形成推進に向けた「顧客本位の業務運営」の確立と定着、ガバナンス改革の更なる推進を通じた企業価値の向上、資産運用業の高度化などが採り上げられ、資産運用業に対する社会的な期待が高まっている中、投資信託協会および当協会が連携して資産運用業の発展に取り組むため、2017年9 月、両協会の会長の下に、「資産運用業協議会」(議長:両協会会長)を設置しました。

【2018年度】
第1回 協議会
①スチュワードシップ活動における自己評価等について
②パッシブ運用(ETF を含む)におけるエンゲージメント活動について
③資産運用会社におけるKPI(Key Performance Indicator)について

第2回 協議会
資産運用会社への期待と課題
<ゲスト・スピーカー>   
年金積立金管理運用独立行政法人理事長 髙橋則広氏
企業年金連合会理事 濱口大輔氏

第3回 協議会 (第4回ファンドラップ研究会との合同開催)
各社のファンドラップ業務におけるベストプラクティスに向けた取組みについて

第4回 協議会
資産運用業の高度化について(1)

第5回 協議会
資産運用業の高度化について(2)

外部評価の取得

GRESB リアルエステイト評価
GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)は、2009 年に欧州の主要年金基金のグループを中心に創設された不動産セクターのサステナビリティ・パフォーマンスを測るベンチマークであり、有力な機関投資家が加盟、不動産投資運用のプロセスで GRESB を利用しています。
GRESBの評価は、機関投資家が投資先を選定する際などにGRESBのベンチマーク調査を活用することからその注目度は高く、GRESBの毎年の調査には世界で多数の不動産会社、REITや不動産私募ファンドが参加しています。
個々の環境不動産の認証制度は様々ありますが、不動産会社・ファンド単位のベンチマークとしては「GRESBリアルエステイト評価」が事実上唯一のものであり、総合スコアのグローバルでの相対評価による「GRESB レーティング」は、最上位となる5スターまでの5段階評価が付与されます。ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人及びケネディクス商業リート投資法人の評価は下記のとおりです(2019年9月30日時点)。また、「実行と計測」及び「マネジメントと方針」両面での高い評価を受け、いずれのREITも「Green Star」評価を取得しています。
ケネディクス・オフィス投資法人: 4スター
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人: 2スター
ケネディクス商業リート投資法人: 4スター

DBJ Green Building認証
DBJ Green Building認証制度とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(“Green Building”)を支援するために、2011年4月に株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度です。対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取組みを支援するものです。
認証における評価ランクとしては、「国内トップクラスの卓越した『環境・社会への配慮』がなされたビル」(five stars)、「極めて優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(four stars)、「非常に優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(three stars)、「優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(two stars)、「十分な『環境・社会への配慮』がなされたビル」(one star)の 5 段階があります。ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人及びケネディクス商業リート投資法人の認証取得物件数は下記のとおりです(2019年9月30日時点)。
ケネディクス・オフィス投資法人: 25物件
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人: 7物件
ケネディクス商業リート投資法人: 14物件

CASBEE-不動産評価認証
CASBEE とは国土交通省が主導して開発された建築物の環境性能評価システムで、建築物それ自体の環境品質・性能に関する評価と、建築物の外部に対する環境負荷に関する評価の両面から総合的な環境性能の評価を行う制度です。その内、CASBEE-不動産は、既存建築物の環境評価の結果が不動産評価の際に活用されることを目的として開発されました。
2018年11月1日時点において、ケネディクス・オフィス投資法人の運用物件のうち、KDX虎ノ門一丁目ビル、アーク森ビル、KDX小林道修町ビル、KDX烏丸ビル及びKDX新宿ビルが、最高評価であるCASBEE不動産評価Sランクを、KDX五反田ビルがCASBEE不動産評価Aランクを取得しています。

BELS評価
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度:Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」における省エネ性能の表示の努力義務に対応した、住宅・建築物を格付けする第三者認証制度です。国が定める建築物エネルギー消費性能基準に基づく一次エネルギー消費量から算出されるBEI(Building Energy Index)の値によって評価されます。
2019年9月30日時点において、ケネディクス・オフィス投資法人の運用物件のうち、KDX武蔵小杉ビル及びKDX飯田橋スクエアが5段階評価の3つ星を取得しています。なお、KDX武蔵小杉ビルは、J-REITが運用する物件として初めてBELS評価認証を取得しました。

非常災害等に備えた取組み

当社は「レジリエンス(災害等への適応力)の向上」をマテリアリティの一つとして認識しており、当社の運用物件において、テナント様、ご入居者様や地域コミュニティの皆様が安全・安心に過ごすことができるよう様々な施策を実施しています。

防災用品の設置
一部の運用物件において、防災用品を設置しています。
ケネディクス・オフィス投資法人の運用するオフィスビルでは、非常災害時や停電・故障によるエレベーターの緊急停止時等に備えて、エレベーター内に非常用品収納ボックスを設置しています。
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の運用する賃貸住宅では、管理人室等の共有スペースにご入居者様向けの非常持出用防災セット(非常食、非常用飲料水等)を設置しています。

Wi-Fi電波の無料開放
ケネディクス・オフィス投資法人は、事業継続性を意識し、災害時のインターネット環境を整備する目的で、一部の運用物件に「光ステーション」Wi-Fiルーターを設置しています。
災害発生時にはWi-Fiを無料開放し、テナント様の事業継続性をサポートします。また、平時も入居テナント様や来訪者様向けに一定時間無料で開放しています。

災害救援自販機の設置
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人は、一部の賃貸住宅において災害救援自販機を設置しています。災害等で停電になった際には、自販機内の商品を救援飲料として無料提供することが可能です。

防災マップの掲示
一部の運用物件のエントランスや掲示板等に防災マップを掲示し、緊急時の避難場所等を示しています。

避難場所の提供
ケネディクス商業リート投資法人は、洪水等の災害が発生した場合に、施設を一時的な避難場所として提供する協定を吉川市及び伊奈町と締結しています。

マテリアリティ(重要課題)の設定とサステナビリティ方針の制定

当社の親会社であるケネディクス株式会社は、ケネディクスグループがステークホルダーや社会とともに持続的に成長していくために、特に取り組んでいくべき5つの重要テーマと15のマテリアリティ(重要課題)を設定しました。

持続可能な環境への貢献 (SDGs: 6,7,12,13)
・エネルギー消費量・CO2排出量の削減
・水消費量・廃棄物量の削減
・環境配慮のためのテナントとの協働

多様な社会への貢献 (SDGs: 3,9,11,13)
・環境や社会に配慮した不動産の提供
・レジリエンス(災害等への適応力)の向上
・少子高齢化社会への対応

ステークホルダーへの責任 (SDGs: 11,16)
・顧客満足度の向上
・コミュニティへの貢献
・利益相反の防止

魅力ある職場の実現 (SDGs: 3,4,5,8,10)
・人材の確保・開発・維持
・従業員の健康と快適性
・ダイバーシティと機会均等

規律ある組織体制の構築 (SDGs: 16,17)
・コンプライアンス
・リスクマネジメント
・責任投資へのコミットメント

マテリアリティによる機会とリスクを認識し具体的な取組みを行っていくことで、事業活動と社会の両面における課題解決を目指します。また、マテリアリティへの対応を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献も目指します。

また、マテリアリティの設定を受け、従来の環境方針を改めESGに関してより包括的なサステナビリティ方針を制定しました。サステナビリティ方針のもと、ケネディクスグループが一体となってマテリアリティへの具体的な取組みを推進します。

持続可能な環境への貢献
運用物件の環境性能の向上という社会的使命に応え、エネルギー消費、CO2排出、水消費、廃棄物排出など運用物件が環境へ与える影響の継続的削減や有害物質の削減・適切な管理を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可能性に貢献します。

多様な社会への貢献
運用物件が社会へ与える影響を考慮し、多様な社会の実現に貢献します。テナントや地域コミュニティの安全・安心、健康と快適性、多様性の確保等に努めます。

ステークホルダーへの責任
管理会社との連携、投資家、テナント、取引先や地域コミュニティなど、運用物件やファンドに関わる様々なステークホルダーとの対話を重視し、不動産のアセットマネジメント会社として責任ある投資運用を目指します。

魅力ある職場の実現
従業員の活躍を支援する取組みや職場環境の整備等により、魅力ある働きやすい職場を目指します。研修などの教育・啓発活動を充実させ、従業員の能力を最大限に引き出すことに努めます。

規律ある組織体制の構築
コンプライアンスやリスクマネジメントの徹底を図ります。国際的なESGイニシアティブにもコミットし、また、ESGに関する情報開示を積極的に行うことで、規律ある組織による規律ある不動産の投資運用を目指します。

責任投資原則(PRI)への署名

当社の親会社であるケネディクス株式会社は、「責任投資へのコミットメント」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しています。責任投資へ のコミットメントのもと、グループが一丸となってサステナビリティへの取組みを推進し、持続的成長と社会的責 任の両立に向けた経営基盤の強化を目指すべく、責任投資原則(PRI)へ署名を行いました。これらの実践を通じて、不動産アセットマネジメント会社としての責任ある投資運用を目指して参ります。

REITを通じた多様な物件への投資

当社が運用に関わる3つの上場REIT及び私募REITは、いずれも特定の用途に特化した投資運用を行っています。各用途の特性に沿った専門的な運用により、透明性の高いアセットマネジメントを実現しています。それぞれのREITが環境や社会に配慮した投資運用を行うことで、まちの賑わい創出や生活利便性の向上、快適な職場環境、安心して暮らすことのできる住まいの提供といった様々な側面で環境や社会に貢献しています。

ケネディクス・オフィス投資法人
経済活動が高密度に集積し、高いテナント需要と厚みのあるストックがある東京経済圏の「中規模オフィスビル」を主な投資対象としています。

ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
人が居住、滞在する空間である「居住用施設」「ヘルスケア施設」「宿泊施設」を主な投資対象としています。

ケネディクス商業リート投資法人
日常生活に必要な商品・サービスを提供し、住宅地又はロードサイド等、日常生活圏に立地している「生活密着型商業施設」及び「消費地配送型物流施設」を主な投資対象としています。

ケネディクス・プライベート投資法人
「大規模オフィスビル」並びに「長期リース付ホテル及び商業施設」を主な投資対象とする総合型の私募REITです。

外部評価の取得

GRESB リアルエステイト評価
GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)は、2009 年に欧州の主要年金基金のグループを中心に創設された不動産セクターのサステナビリティ・パフォーマンスを測るベンチマークであり、有力な機関投資家が加盟、不動産投資運用のプロセスで GRESB を利用しています。
GRESBの評価は、機関投資家が投資先を選定する際などにGRESBのベンチマーク調査を活用することからその注目度は高く、GRESBの毎年の調査には世界で多数の不動産会社、REITや不動産私募ファンドが参加しています。
個々の環境不動産の認証制度は様々ありますが、不動産会社・ファンド単位のベンチマークとしては「GRESBリアルエステイト評価」が事実上唯一のものであり、総合スコアのグローバルでの相対評価による「GRESB レーティング」は、最上位となる5スターまでの5階評価が付与されます。ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人及びケネディクス商業リート投資法人の評価は下記のとおりです(2019年9月30日時点)。また、「実行と計測」及び「マネジメントと方針」両面での高い評価を受け、いずれのREITも「Green Star」評価を取得しています。
ケネディクス・オフィス投資法人: 4スター
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人: 2スター
ケネディクス商業リート投資法人: 4スター

DBJ Green Building認証
DBJ Green Building認証制度とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(“Green Building”)を支援するために、2011年4月に株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度です。対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取組みを支援するものです。
認証における評価ランクとしては、「国内トップクラスの卓越した『環境・社会への配慮』がなされたビル」(five stars)、「極めて優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(four stars)、「非常に優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(three stars)、「優れた『環境・社会への配慮』がなされたビル」(two stars)、「十分な『環境・社会への配慮』がなされたビル」(one star)の 5 段階があります。ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人及びケネディクス商業リート投資法人の認証取得物件数は下記のとおりです(2019年9月30日時点)。
ケネディクス・オフィス投資法人: 25物件
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人: 7物件
ケネディクス商業リート投資法人: 14物件

CASBEE-不動産評価認証
CASBEE とは国土交通省が主導して開発された建築物の環境性能評価システムで、建築物それ自体の環境品質・性能に関する評価と、建築物の外部に対する環境負荷に関する評価の両面から総合的な環境性能の評価を行う制度です。その内、CASBEE-不動産は、既存建築物の環境評価の結果が不動産評価の際に活用されることを目的として開発されました。
2018年11月1日時点において、ケネディクス・オフィス投資法人の運用物件のうち、KDX虎ノ門一丁目ビル、アーク森ビル、KDX小林道修町ビル、KDX烏丸ビル及びKDX新宿ビルが、最高評価であるCASBEE不動産評価Sランクを、KDX五反田ビルがCASBEE不動産評価Aランクを取得しています。

BELS評価
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度:Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」における省エネ性能の表示の努力義務に対応した、住宅・建築物を格付けする第三者認証制度です。国が定める建築物エネルギー消費性能基準に基づく一次エネルギー消費量から算出されるBEI(Building Energy Index)の値によって評価されます。
2019年9月30日時点において、ケネディクス・オフィス投資法人の運用物件のうち、KDX武蔵小杉ビル及びKDX飯田橋スクエアが5段階評価の3つ星を取得しています。なお、KDX武蔵小杉ビルは、J-REITが運用する物件として初めてBELS評価認証を取得しました。

MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数組み入れ

野村不動産マスターファンド投資法人は、2019年5月の構成銘柄見直しにより、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数に組み入れらました。

【特徴】
本指数は、 MSCIジャパンIMIトップ700指数構成銘柄の中から、環境 (E) ・ 社会 (S) ・ガバナンスに優れた企業を選別して構成される指数であり、年金積立金管理運用独行政法人 (GPIF)のパッシブ運用を行う際の ESG指数に選定されています。
野村不動産マスターファンド投資法人は、グリーン認証取得目標の開示及び取得割合の増加、従業員に関する研修実績や満足度調査の開示等を評価され、MSCI社によるESG格付けでは、「A」を取得しています。

グリーンボンドの発行

野村不動産マスターファンド投資法人は、持続的社会の実現に向けた様々なESG活動を推進する一環として、グリーンファイナンス・フレームワークを策定(「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価「Green1(F)」を取得)し、2019年9月20日には本投資法人初となるグリーンボンド(発行額:30億円、利率:0.53%、年限:10年)を発行しました。

【特徴】
グリーンファイナンス・フレームワーク
(1)調達資金の使途
グリーンファイナンスにより調達した資金を、以下の項目に該当する資金に充当します。
・ グリーン適格資産(※)の取得資金
・ グリーン適格資産の取得に要した借入金の借換資金
・ グリーン適格資産の取得に要した発行済の投資法人債の償還資金
(※)下記に記載する「 (2)適格クライテリア」を満たす既存又は新規の特定資産をいいます。以下同じです。

(2)適格クライテリアについて
以下のいずれかの有効なa.~c.の認証又は再認証を、グリーンファイナンスによる資金調達日から過去 36 ヶ月以内に取得済み、又は今後取得予定である資産をいいます。
a. DBJ Green Building認証における3つ星、4つ星、もしくは5つ星
b. BELS評価における3つ星、4つ星、もしくは5つ星
c. CASBEE不動産評価認証におけるB+、A、もしくはSランク

(3)プロジェクトの評価・選定のプロセス
適格クライテリアは、資産運用会社のサステナビリティ推進会議にて策定され、投資委員会にて決定されています。
グリーンファイナンスにより調達した資金の使途対象となるグリーン適格資産は、適格クライテリアに基づき評価・抽出し、資産運用会社の決裁権限規程に基づき決裁を経て選定されます。

(4)調達資金の管理
グリーン適格資産の帳簿価額の総額に、グリーンファイナンスによる資金調達時において算出可能な直近期末時点における総資産LTV(Loan to Value/総資産有利子負債比率)を乗じて算出された負債額(以下「グリーン適格負債額」といいます。)をグリーンファイナンスの残高の上限とします。
グリーンファイナンスの残高が、グリーン適格負債額を超過しないよう管理します。
また、グリーンファイナンスの残高が存在する限り、ポートフォリオ単位で充当済み資金を内部で追跡・管理します。

(5)レポーティング
a. 資金充当状況レポーティング
b. インパクト・レポーティング
グリーンファイナンスの残高が残存する限り、各年の2月末時点における以下の指標を公表します。
・ グリーン適格資産の物件数
・ 取得した各グリーン認証のレベル
・ グリーン適格資産(但し本投資法人が管理権限を有する物件又は部分を対象とする)の温室効果ガス
(GHG)の排出量、エネルギー使用量、水使用量

グリーンボンドの発行は、野村不動産マスターファンド投資法人の投資家層の更なる拡充及び安定的な資金調達手段の確保を通じて、ESGに配慮した投資運用をさらに推進することを企図したものです。

マテリアリティ(重要課題)の設定とサステナビリティ方針の制定

当社は、ケネディクスグループがステークホルダーや社会とともに持続的に成長していくために、特に取り組んでいくべき5つの重要テーマと15のマテリアリティ(重要課題)を設定しました。

持続可能な環境への貢献 (SDGs: 6,7,12,13)
・エネルギー消費量・CO2排出量の削減
・水消費量・廃棄物量の削減
・環境配慮のためのテナントとの協働

多様な社会への貢献 (SDGs: 3,9,11,13)
・環境や社会に配慮した不動産の提供
・レジリエンス(災害等への適応力)の向上
・少子高齢化社会への対応

ステークホルダーへの責任 (SDGs: 11,16)
・顧客満足度の向上
・コミュニティへの貢献
・利益相反の防止

魅力ある職場の実現 (SDGs: 3,4,5,8,10)
・人材の確保・開発・維持
・従業員の健康と快適性
・ダイバーシティと機会均等

規律ある組織体制の構築 (SDGs: 16,17)
・コンプライアンス
・リスクマネジメント
・責任投資へのコミットメント

マテリアリティによる機会とリスクを認識し具体的な取組みを行っていくことで、事業活動と社会の両面における課題解決を目指します。また、マテリアリティへの対応を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献も目指します。

また、マテリアリティの設定を受け、従来の環境方針を改めESGに関してより包括的なサステナビリティ方針を制定しました。サステナビリティ方針のもと、ケネディクスグループが一体となってマテリアリティへの具体的な取組みを推進します。

持続可能な環境への貢献
運用物件の環境性能の向上という社会的使命に応え、エネルギー消費、CO2排出、水消費、廃棄物排出など運用物件が環境へ与える影響の継続的削減や有害物質の削減・適切な管理を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可 能性に貢献します。

多様な社会への貢献
運用物件が社会へ与える影響を考慮し、多様な社会の実現に貢献します。テナントや地域コミュニティの安全・安心、健康と快適性、多様性の確保等に努めます。

ステークホルダーへの責任
管理会社との連携、投資家、テナント、取引先や地域コミュニティなど、運用物件やファンドに関わる様々なステークホルダーとの対話を重視し、不動産のアセットマネジメント会社として責任ある投資運用を目指します。

魅力ある職場の実現
従業員の活躍を支援する取組みや職場環境の整備等により、魅力ある働きやすい職場を目指します。研修などの教育・啓発活動を充実させ、従業員の能力を最大限に引き出すことに努めます。

規律ある組織体制の構築
コンプライアンスやリスクマネジメントの徹底を図ります。国際的なESGイニシアティブにもコミットし、また、ESGに関する情報開示を積極的に行うことで、規律ある組織による規律ある不動産の投資運用を目指します。

責任投資原則(PRI)への署名

当社は、「責任投資へのコミットメント」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しています。責任投資へ のコミットメントのもと、グループが一丸となってサステナビリティへの取組みを推進し、持続的成長と社会的責 任の両立に向けた経営基盤の強化を目指すべく、責任投資原則(PRI)へ署名を行いました。これらの実践を通じて、不動産アセットマネジメント会社としての責任ある投資運用を目指して参ります。

REITを通じた多様な物件への投資

当社がメインスポンサーとして運用に関わる3つの上場REIT及び私募REITは、いずれも特定の用途に特化した投資運用を行っています。各用途の特性に沿った専門的な運用により、透明性の高いアセットマネジメントを実現しています。それぞれのREITが環境や社会に配慮した投資運用を行うことで、まちの賑わい創出や生活利便性の向上、快適な職場環境、安心して暮らすことのできる住まいの提供といった様々な側面で環境や社会に貢献しています。

ケネディクス・オフィス投資法人
経済活動が高密度に集積し、高いテナント需要と厚みのあるストックがある東京経済圏の「中規模オフィスビル」を主な投資対象としています。

ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
人が居住、滞在する空間である「居住用施設」「ヘルスケア施設」「宿泊施設」を主な投資対象としています。

ケネディクス商業リート投資法人
日常生活に必要な商品・サービスを提供し、住宅地又はロードサイド等、日常生活圏に立地している「生活密着型商業施設」及び「消費地配送型物流施設」を主な投資対象としています。

ケネディクス・プライベート投資法人
「大規模オフィスビル」並びに「長期リース付ホテル及び商業施設」を主な投資対象とする総合型の私募REITです。

野村不動産マスターファンド投資法人の環境認証取得

当社が運用する野村不動産マスターファンド投資法人が保有する物件では、以下の環境認証を取得しています。

■ 環境認証取得
・ 合計89物件、延床面積約1,557千 m2(ポートフオリオ全体に占める比率約70%)
(DBJ Green Building認証:合計79物件、延床面積約1,418千 m2)
(BELS 評価:合計26物件、延床面積約439千 m2)
※2019年8月時点の数値を記載しています。
※底地物件を除く保有物件を元に、該当物件の持分割合を乗じた面積、もしくは専有部分の面積を元に算出しています。

【特徴】
野村不動産マスターファンド投資法人は、保有物件のグリーン認証取得割合を2030年度までに70 %へ向上(延床面積ベース)させることを目標にしています。
※グリーン認証とは、DBJ Green Building認証、BELS、CASBEE等のいずれかの認証を指します。

サステナビリティガイドを活用したテナントとの協働促進

ジャパンリアルエステイト投資法人(以下、当投資法人)は入居テナントとの協働促進に向けた取り組みの一環として、サステナビリティガイドを作成し入居テナントへ配布しています。
また当投資法人のホームページでサステナビリティガイドを公開し、サステナブルな社会の実現に向けて発信しています。このガイドでは主に「環境」と「働く人の快適性」という観点で、オフィスワーカーにできる身近な取り組みについても実際の事例を交えて紹介しています。
<参考URL> https://www.j-re.co.jp/ja/esg/society.html

ESG課題に対する取り組み方針の制定、イニシアティブへの署名

当社は、中長期的な投資主価値の向上を図るためには、環境(Environment)・社会(Society)・ガバナンス(Governance)への配慮が不可欠であると認識し、野村不動産グループのCSR経営の理念に基づき、「サステナビリティ方針」を制定しています。また、以下のイニシアティブへの署名および参加を行っています。

・「責任投資原則(PRI)」への署名
・「国連環境計画金融イニシアティブ、(UNEP FI)」への署名
・「気候変動イニシアチブ(JCI)」への参加
・「国連グローバル・コンパクト(UN GC)」への署名(野村不動産グループ)

【特徴】
サステナビリティ方針に基づく取り組みを継続的かつ組織的に推進するために、以下の体制を整備しています。

・取締役会:サステナビリティ方針、サステナビリティ推進規程等の社内規程の制定および改定
・投資委員会:運用するファンドのサステナビリティ目標や施策の決定
・サステナビリティ推進会議:運用するファンドのサステナビリティ目標や施策案の策定および施策実施状況のモニタリング

GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)への参加

■ GRESBリアルエステイト評価(2019)
野村不動産マスターファンド投資法人:上場・総合型セクターで世界40社中3位
野村不動産プライベート投資法人:非上場・総合型セクターでアジア10社中1位 アジアセクターリーダー

当社が運用する野村不動産マスターファンド投資法人および野村不動産プライベート投資法人は、2019年評価において、環境配慮やサステナビリティ課題に関して「マネジメントと方針」および「実行と計測」の両側面で優れた取り組みを実践している参加者に与えられる「Green Star」を取得しました。
また、総合スコアの順位により5段階で評価されるGRESBレーティングとしては、3年連続で最上位の「5 Star」を取得しました。
さらに、環境配慮やサステナビリティの取組みに関する情報開示が優れていることが評価され、2017年より導入されたGRESB開示評価においても、5段階のうち最高水準となる「A」の評価を3年連続で取得しています。

【特徴】
当社は、投資運用業において高まるESGの重要性に対し運用会社として応えていく必要性に鑑み、国際的なイニシアティブのメンバー企業となり、ESG先進企業とのネットワーク、情報共有、日本における事例の紹介等の活動に参加することを通じて、サステナビリティ向上に取り組んでいます。

野村不動産マスターファンド投資法人の環境への取り組み

当社が運用する野村不動産マスターファンド投資法人は、保有物件において、以下の環境への取り組みを実施しています。

■ 気候変動に関する取り組み
・屋上を利用し、太陽光発電パネルによる再生可能エネルギーの生成に貢献しています。
( Landport浦安等、合計10物件、年開発電量約9百万kwh)
・照明のLED化を行い、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
(新宿野村ビル他)
・空調設備の更新を行い、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
(NMF芝公園ビル他)
・省エネルギー診断を行うことで、エネルギー量削減余地の検討を行い、運用に役立てています。
( Landport柏沼南I 他)
・テナントとの問で締結する標準的な賃貸契約書に下記グリーンリース条項等を盛り込み、テナントと環境負荷の低減のために協力する取組みを進めています。
① 環境認証取得のための環境パフォーマンス向上に対する協働(節電、節水、廃棄物削減)
② エネルギー消費量等のデータ提供、および目標値の共有
・貸室内に専用のタブレットを設置し、電気使用量の見える化に取り組むことで、テナント企業のエコ意識向上を促しています。(一部のオフィスビル)
・新電力会社(PPS)を含む幅広い電力供給会社の中から、コストや安定供給面といった観点に加え、電源構成等に起因するCO2排出係数の観点を含めて電力会社の選定と見直しを行っています。
・屋上緑化や、リニューアルに伴う植栽の施工等、施設の緑化を積極的に行っています。
(野村不動産四ツ橋ビル他)
・台風やゲリラ豪雨時の浸水対策として、防水版を設置し、施設内への海水・雨水の侵入防止策を行っています。
(野村不動産天王洲ビル他)
・雪害対策として、北海道札幌市に所在する保有物件の敷地には保有物件のロードヒーティンゲを設置しています。また、雪庇落下による事故防止のため、屋上に雪庇防止策を実施しています。

■ 水資源に関する取り組み
・トイレの衛生器具を節水型へ更新することで、使用水量削減に取り組んでいます。
・雨水をタンクに溜めて散水に利用する「スマート潅水設備の設置」により、使用する水道水量削減に取り組んでいます。
・トイレ設備の節水化や雨水、井水の利用を通じて節水に取り組んでいます。

■ 廃棄物の削減
・テナントと協働し生ごみ処理機を設置し、廃棄物量の削減に努めています。(一部の物件)

■ 汚染防止
・物件取得時において、対象土地にかかる環境リスク要因等を考慮し意思決定を行っています。原則として、建物状況調査報告書(エンジニアリング・レポート)において、有害物質の使用状況、管理状態に関する問題が指摘されていないこと等の基準を満たす物件のみを投資対象としています。

【特徴】
野村不動産マスターファンド投資法人は、以下の方針・目標を掲げ、上述の取り組みを推進しています。
・投資ポートフォリオのグリーン化:保有物件のグリーン認証取得割合を2030年度までに70 %まで向上させることを目指します。
・気候変動への対応:ポートフォリオの温室効果ガス(GHG)における床面積当たり排出量(原単位)を2030年度までに25 %削減(2016年基準)することを目指します。