当社グループは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同し、気候変動に対するさまざまな取組みと透明性の高い情報開示に取り組んでいます。
気候変動に関する国際合意であるパリ協定の実現に向け、世界は脱炭素社会に大きく舵を切りました。気候変動は地球環境にさまざまな影響を及ぼすと同時に、水・食料や雇用、格差に至るまで、経済・社会に大きな影響をもたらします。このような複雑性の高い気候変動に対してはSDGsに見られる複合的アプローチが重要ととらえています。
当社グループでは、パーパス実現に向けた重点課題であるマテリアリティに「経済・社会・環境が調和したグリーンな社会づくりへの貢献」を定め、保険事業で培ったリスク管理のノウハウ、30年来にわたる地球環境への取組みを通じて得たステークホルダーとのネットワークに加え、中期経営計画で経営基盤に据えたSDGs経営を通じて、気候変動に対する複合的なアプローチを展開していきます。
【特徴】
気候関連リスク・機会への対応と主な取組みについて、統合レポートやサステナビリティレポートに掲載をしています。詳細は当社公式HPをご参照ください。
https://www.sompo-hd.com/csr/value/topic1/
◆ 農業保険のグローバル統合プラットフォーム『AgriSompo』
海外保険事業の中核事業会社であるSOMPOインターナショナルは、2017年に農業保険分野における統合ブランド『AgriSompo』を立ち上げ、欧米に加えて南米、アジアへも拡大するなど持続可能な食糧供給体制への貢献に取り組んでいます。
また、損保ジャパン、SOMPOリスクマネジメントは国際協力銀行(JBIC)などとともに研究・開発を重ね、2010年より 東南アジアで『天候インデックス保険』の提供を行っています。2019年にはタイのロンガン農家向け、2021年にはサトウキビ農家向けへの提供を開始し、農業従事者の風水災や干ばつなどの自然災害リスクへの適応ニーズに対するリスク軽減に貢献しています。2015年には商業活動と持続可能な開発を両立する取組みとして「ビジネス行動要請(BCtA)」の認定を受けました。
◆ 東南アジアでの天候インデックス保険の提供
『天候インデックス保険』とは、気温、風量、降水量などの天候指標が、事前に定めた一定条件を満たした場合に定額の保険金をお支払いする保険商品です。当社グループは、SOMPOリスクマネジメントによるリスク評価技術を活用することで、気候変動の影響を受けやすい農業が主な産業である東南アジアにおいて、農業経営リスクの軽減を目的とした『天候インデックス保険』を提供しています。
2010年、タイ東北部の稲作農家の干ばつ被害の軽減を目的とした『天候インデックス保険』の販売を開始しました。タイ農業協同組合銀行(BAAC)と協働し、BAACがローン契約者である農家に対して保険加入の募集を行うことで安心して加入できるスキームを構築しました。2019年2月には、ロンガン農家向け、加えて2021年5月にはサトウキビ、キャッサバ農家向けの天候インデックス保険を販売開始するなど、タイの主要輸出農業作物の農家に対する気候変動の「適応」策として、保険商品の開発・普及を進めています。これらの商品の開発にあたっては「AgriSompo」を通じて技術提供を受けています。
【特徴】
当社グループは、今後『AgriSompo』を活用し、各国の農業リスクに応じたソリューションの提供に取り組み、気候変動の影響を受けやすい世界の農業分野の発展に貢献していきます。
SOMPO環境財団では、「木を植える『人』を育てる」という理念のもと、環境分野で活躍する人材の育成支援、環境保全に関する活動・研究支援や環境教育などの振興を通して地球環境保全に資することを目指しています。
市民のための環境公開講座
同財団は損保ジャパンおよび公益社団法人日本環境教育フォーラムと共催で、一般市民向けに1993年より継続して「市民のための環境公開講座」を開講しています。市民が環境問題を正しく理解・認識し、それぞれの立場で具体的な活動を実践できるように開講した講座で、これまでに延べ26,679
人の方々に参加いただきました(2021年3月現在)。2019年1月には、25周年記念として「市民のためのSDGsフェス」を開催しました。
CSOラーニング制度
同財団では大学生・大学院生を対象に環境分野のCSO(Civil Society Organization:市民社会組織、NPO/NGOを包含する概念)で8か月のインターンシップを経験できる「CSOラーニング制度」を実施しています。本制度は2000年に始まり、環境CSOとともに、持続可能な社会に貢献できる人づくりを目指しており、これまでに1,167人が修了しました(2021年3月現在)。2019年2月からは、新たにインドネシア・ジャカルタでプログラムをスタートしました。
学術研究助成の実施
2001年から大学院生の博士論文作成費用を支援する「学術研究助成」を実施し、環境をテーマとする意欲に満ちた優秀な若手研究者の研究を支援しています。
【特徴】
「環境人材の育成』は、損保ジャパンのCSRの原点でもあり、20年以上にわたって継続・発展させています。NPOとのパートナーシップは、社会課題への感度の高い社員の育成や、商品・サービスの開発にも生かされ、単なる社外事業ではなく、本業における多くの良い影響が得られています。
当社は、全国の委託代理店と連携し、バリューチェーン全体での環境負荷低減や地域に根ざした環境保全活動を展開するために、継続的な啓発活動と組織的な推進を図っています。
自動車整備工場代理店の全国組織「AIRオートクラブ」では、2008年から、環境に配慮した事業活動を積極的に行う自動車整備事業者のボランタリーチェーングループ「エアeショップ21」を展開しています。エアeショップ21グループでは、環境に関する国際規格「ISO 14001」を全店で取得するなど、CO2削減の取組みに力を入れてきました。また、グループ加盟店はそれぞれ工夫をこらし、自動車整備業において特に削減効果の高い「リサイクル部品の使用促進」、「電力使用量の削減」などを積極的に行ってきました。CO2を毎年着実に削減し、2019年度は約240トンの削減を達成しています。また、全国プロ代理店組織「JSA中核会」では、「AIRオートクラブ」と共同で、インターネットの集中購買システムを活用したグリーン購入の推進に取り組んでおり、両組織あわせておよそ3,200会員(2021年3月現在)の登録をいただいています。
両組織共同での車いす清掃活動、海岸清掃、献血など地域に根ざした社会貢献活動により、代理店組織が全国各地の情報発信拠点となって、お客さまや地域の皆さまへ取組みの輪を広げています。
【特徴】
2つの全国代理店組織共同で、インターネットの集中購買システムを活用したグリーン購入の推進や地域に根ざした社会貢献活動を展開するなど、代理店組織が全国各地の情報発信拠点となって、お客さまや地域の皆さまへそれらの取組みの輪をひろげています。
自然災害による住民への被害を防止するため、地方自治体はより早期に避難勧告などを発令することが求められています。一方、例え予想通りに災害が到来しない場合であっても避難所の開設費用などの負担が発生すること、また、住民被害を最小限に抑えるためにいかに適切なタイミングで避難勧告などを発令できるかということが、地方自治体にとっての課題となっています。
このような背景から、当社では、地方自治体の避難勧告などの発令に伴う費用負担を軽減し、国が進める早期避難勧告を後押しする保険と、気象情報や対応策の情報を提供することで、地方自治体の迅速な初動体制の構築を支援するサービスを開発しました。全国で数百の地方自治体が加入しています。
【特徴】
保険金の支払いに加え、ウェザーニュースによる気象情報や対応情報等を提供する付帯サービスによって、地方自治体の迅速な初動対応を支援しています。
将来を担う子どもたちとその保護者を対象に、災害から身を守るための知識や安全な行動を学んでもらうことを目的として「防災人形劇」および「体験型防災ワークショップ」を実施しています。「防災人形劇」では、オリジナルの防災ストーリー『さんびきのこぶた危機一髪!』をパペットシアターゆめみトランクが上演します。これは、おおかみが引き起こすさまざまな災害(風・雨・落雷・火事など)に対して、こぶた3兄弟が助け合いながら困難に立ち向かう物語です。「体験型防災ワークショップ」では、特定非営利活動法人プラス・アーツと協働し、実際に身体を動かしながら防災についての知識や行動を楽しく学ぶことができます。
2021年3月末時点で、全国で延べ376回開催し、72,000人以上の市民の皆さまに参加いただいています。
【特徴】
保険会社として、市民の皆さまの防災意識を高めることは重要だと考えています。人形劇やワークショップを通じて、楽しく学習・体験してもらえるよう、プログラムの構成やグッズ等を工夫しています。
また新型コロナウイルス環境下においても防災の学びを止めないため、場所を問わずに楽しく学べる動画コンテンツをHP上に公開しています。
https://www.sompo-japan.co.jp/csr/environment/eco/bousai/
◆ インドネシアでの交通安全プロジェクト
インドネシアでは、交通事故による子どもの死亡者数が東南アジアで最大であり、交通安全対策が重要な課題となっています。そこで、日本における交通事故の予防・削減のノウハウ・経験を活かし、当社とPT Sompo Insurance Indonesia は、子ども支援専門の国際組織である公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと協働で、交通安全事業に取り組んでいます。2014年10月から2017年8月にかけて、西ジャワ州バンドン市の小・中学生を対象に、交通安全教育及び現地行政と連携した学校周辺の交通安全設備の整備推進、子どもの交通安全に関する社会啓発活動を実施しました。このプロジェクトでは、4年間で30校の小・中学生を対象に、教師や生徒に対する交通安全教育の実施、学校周辺の交通インフラの改善および地域や政府に対する働きかけを行い、延べ30,000人以上の方に参加いただきました。
また、本プロジェクトでは、多様な主体が協働で社会的課題の解決を目指すアプローチである「コレクティブ・インパクト」を測定・評価する試みの一つとして、SROI※分析を用いて本プロジェクトの社会的価値の定量把握に取組みました。4年間で、社会的価値総額(総便益)は約2億3,586万円、要した費用は約8,649万円となり、SROIは2.73という結果になりました。2018年からは活動の拠点をジャカルタ首都特別州に移し、2022年までの4年間にわたるプロジェクトを始動し、取組みを継続しています。
※SROI(社会的投資収益率、Social Return on Investment)は、事業の展開によって生じた社会的価値総額(総便益)を要した費用で除して算出し、事業の有効性などを計測する手法です。
【特徴】
社会的課題がグローバルに複雑化している現在、NPO/NGOをはじめとするマルチステークホルダーでのパートナーシップによる課題解決が求められています。当社はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと協働し、日本の予防等のノウハウや経験を活かしながら、インドネシアでの社会的課題の解決に取り組んでいます。
自動車保険通販事業を中核とした事業戦略の中で、2010年度から環境に配慮した以下の取組みを実施しています。
・通販専用自動車保険におけるインターネット完結の推進
インターネットによる申込みを推進するため、インターネットで申込手続を行っていただいたお客さまには、インターネット割引(10,000円 ※)を適用します。本取組みにより、申し込みに関する紙の使用削減につなげています。2020年度のインターネット割引適用契約の対象自動車保険契約に占める割合は、98.7%でした。
※ 保険料を一括でお支払いいただいた場合の割引額を指します。また、2022年1月1日以降を保険始期日とする新規契約の割引額を13,000円に拡大します。
・火災保険におけるインターネット完結の開始
2020年10月より、インターネット上で火災保険のお見積りからお申込みまで完結可能な申込みサイトをリリースし、簡単・便利にご契約いただくことが可能となりました。
本取組みにより、紙の使用削減につなげています。
・保険金支払業務において、書類を電子化し格納する機能を活用しています。
書類をデータ管理することで支払手続に必要な書類の印刷を減らすことが可能となりました。
本取組みにより、紙の使用削減につなげています。
・保険金支払業務・契約内容変更においてLINEでお客さまとやり取りができるサービスを開始しています。保険金請求については、車の損傷部分の写真をスマートフォンで撮影してそのままLINEで送信でき、契約内容変更については確認書類の省略が可能となりました。
本取組みにより、紙の使用削減につなげています。
・保険始期日が2017年7月1日以降の契約を対象に、デジタル保険証券を発行し、お客さまがマイページ上でいつでも保険証券を確認できるようになりました。
本取組みにより、紙の使用削減につなげています。
・オフィシャルホームページにおける自動車保険コンテンツの充実
オフィシャルホームページを閲覧されたお客さまが安心して保険にご加入いただけるよう、事故事例や保険金のお支払いまでの過程を掲載するなど、お客さまに自動車保険に関するさまざまな知識・情報を提供し、安全運転に対する意識の浸透を行っています。
【特徴】
今後も引き続きインターネットでの手続きを推奨することにより、紙の使用量削減を推進していきます。
また、お客さまからの問合せ内容を反映するなど、オフィシャルホームページのコンテンツを充実させることにより、お客さまの安全・安心に向けた啓蒙を図っていきます。
自動車保険商品において、当社所定の条件に該当する自動車を対象に、電気・ハイブリット車割引(割引額1,200円)を導入し、消費者がCO2排出量の少ないエコカーを購入することを促進しています。2020年度の電気・ハイブリッド車割引適用契約の対象自動車保険契約に占める割合は、2.2%でした。
【特徴】
オフィシャルホームページにおける割引の記載については、見出しや挿絵により、お客さまに分かりやすいよう工夫をしています。また、割引を通じて間接的に「持続可能な社会の形成に寄与する産業」の発展に資するべく推進しています。
SOMPOリスクマネジメント株式会社は、2010年度から、京都大学および神戸大学と共同で、気候変動を考慮した洪水リスク評価手法の研究開発に取り組んでいます。2015年度までに洪水氾濫シミュレーションモデルを利用して日本全域の洪水リスクを定量的に評価する体系を構築し、その後も継続的にモデルの精度向上、高度化に取り組んでいます。2019年度には、気候変動による洪水リスクの変化を定量化する技術を開発しました。2020年度からは、水害発生時に迅速に被害状況を把握するために、SNSの情報と本モデルを利用してリアルタイムに浸水被害を推定する技術の開発を進めています。これらの技術を活用し、国や地方自治体など行政機関の災害対策・施策への活用・連携や、気候変動・異常気象に対する適応策としての企業の洪水リスクマネジメントの支援に取り組んでいます。
【特徴】
日本全域の洪水リスク評価においては、地球温暖化予測シナリオに基づく全球気候モデルの情報を活用し、台風に伴う豪雨や前線性豪雨などあらゆる豪雨の発生頻度をモデル化しています。さらに、日本全域の内水氾濫と一級河川による外水氾濫をシミュレーションする洪水氾濫モデルにより、豪雨による浸水を工学的な手法で計算することができます。これに、建物や機械設備の浸水被害を評価する脆弱性モデルを組み合わせることにより、日本全域の洪水リスク(洪水による被害額)を網羅的かつ統一的に定量評価する体系を構築しています。当モデルは、洪水被害額の年間期待値や、100年に1回の被害額といった再現期間別の評価など、洪水リスクの確率論的評価が可能となっています。これにより、期待される効果に見合った適応策を検討・実施するために必要な、定量的なリスク情報を提供することが可能です。
お客さまが保険契約ご契約時に「Web証券」や「Web約款」を選択いただいた場合や、自動車事故の修理時にリサイクル部品などを活用いただいた場合に、削減できたコストの一部を原資に、NPOなどとの協働を通じて、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供する取組みを行っています。この取組みでは、国内の自然環境を守るだけでなく、次世代育成を意識してサステナブルな社会の実現に取り組んでいます。2011年の開始から2021年3月までに延べ約873回のイベントを開催し、約46,894人の皆さまに参加いただいています。
2013年度からは、多様な主体が協働で社会的課題の解決を目指すアプローチである「コレクティブ・インパクト」を測定・評価する試みの一つとして、SROI*分析を用いて本プロジェクトの社会的価値の定量把握に取り組み、プログラムの改善、スケールアップを目指しました。この試みは、生物多様性保全分野において、SROI分析を用いて社会的価値を算出した国内最初の事例として3年間継続しました。最終年度である2015年度の社会的価値総額(総便益)は約1億4,883万円、要した費用は約7,455万円、SROIは2.00となりました。SROIが1を大きく超えたことで、プロジェクトの有効性が示され、また、2013年度1.12、2014年度1.76であったことから、長期的に波及効果が広がり、社会的投資に対する効果は向上したことになります。
2016年度からは、より地域の独自性を活かして「いきものが住みやすい環境づくり」を進めることを目的に、新たな市民の皆さまに参加いただく機会を提供するとともに、地域の多様なステークホルダーとの協働によりプロジェクトの発展を目指しています。
*SROI (社会的投資収益率、Social Return on Investment)=事業の展開によって生じた社会的価値総額(総便益)/要した費用事業の有効性などを計測する手法です。
【参考】SAVE JAPAN プロジェクト専用ホームページ
http://savejapan-pj.net/
【特徴】
本プロジェクトは、これまで培ってきたNPOとのパートナーシップを、社会貢献のステージから本業を通じた協働へと進化させた取組みの一つです。保険商品と融合させることで、全国各地の環境NPOなど多くの団体との協働に加え、保険販売代理店およびそのお客さまも巻き込み、バリューチェーン全体での環境配慮意識の向上を目指しています。
また、各地域で実施した活動は、SAVE JAPANプロジェクト専用ホームページやFacebookに公開するほか、各地の地方紙、民放テレビ、FMラジオなどのマスコミ、各NPOが発行する情報誌にも数多く取り上げられており、活動に参加されていない市民にも生物多様性の大切さを知っていただくプロジェクトとなっています。
SOMPOリスクマネジメント株式会社は、風力発電事業の安定的な運営を支援することを目的に、風力発電事業における様々なリスクについて分析・診断し、リスク対策を検討するためのコンサルティングサービスを数多く実施しています。
資源が枯渇することがなく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない再生可能エネルギー発電のひとつである風力発電は、2050年カーボンニュートラル社会の実現や再生可能エネルギーの主力電源化に向けた流れの中で、今後一層の導入促進が期待されています。特に洋上風力については、国内初の商業用洋上風力発電所の建設が始まっており、2040年までに3,000~4,500万kWの案件を形成する目標を政府が示していることから、今後急速に導入が進んでいくと予想されています。一方で、風力発電設備に関する故障・事故は過去に数多く発生しており、それに伴う復旧費用や風車稼働率(売電収益)低下、安定的な電力供給への影響を懸念する声が挙げられています。こうした懸念を踏まえ、研究機関や企業などと連携して各種サービスを提供し、風力発電事業のリスクを最小化させて事業の安定性の向上に貢献することで、脱炭素社会の実現を目指しています。
【特徴】
風力発電プロジェクトは事業開発から20年のFIT調達(売電)期間を経て設備の撤去まで事業期間が長期にわたり、それぞれの段階に様々なリスクが潜在しています。当社は、多くの保険事故の経験を踏まえ、発電事業者と対話しながら案件の特殊性や各事業段階に合わせたリスク評価のサービスを提供しています。
風力発電に関する研究・開発にも継続的に力を入れており、東京大学と風力発電のリスク評価モデルを共同開発し、陸上・洋上問わず風力発電事業の様々なリスクを定量的に評価することが可能です。また、上記モデルを応用した風力発電事業の財務影響を評価するサービス、発電所におけるO&Mの取り組み事例に対するリスク評価サービスなど、風力発電に関する幅広い知見を活かした独自のサービスを提供しています。
土地の流動化を阻害する要因(土壌汚染問題)に対し、コンサルティングとファイナンシング手法を駆使し、汚染土地の流動化を促進するサービスです。土壌汚染問題の解決にあたり、時間とコストを最小化するとともに、跡地利用の状況に応じて、最適な土壌保険を提案します。
例えば、調査の結果、土壌汚染が確認されなかった場合でも、その後の開発工事において土壌汚染が確認される場合があります。また、汚染土壌を封じ込めた場合では将来において汚染の拡散のおそれがあります。さらに、汚染を浄化する場合には、当初予定した汚染対策費用が想定外の汚染の発覚により上振れすることが懸念されます。これらの土壌汚染に関するリスクを保険でヘッジすることが可能となります。
【特徴】
保険会社のグループ会社として、コンサルティングと保険を組み合わせたサービスを提供しています。コンサルティングと保険を組み合わせることにより、一方のみでは解決が難しいリスクに対しても幅広く対応することが可能となり、土壌汚染リスクの低減に寄与しています。
2016年4月から、綜合警備保障会社(以下ALSOK)と連携し、ALSOK隊員が事故現場にかけつけ、お客さまに寄り添いサポートする「ALSOK事故現場安心サポート」を行っており、今年で5周年を迎えました。累計の出動件数は28,000件を超え、事故に遭われたお客さまへ安心をお届けしています。
「多くのお客さまにこの”安心”を体験してもらいたい」という想いから、「おとなの自動車保険」に自動付帯として、本サービスを希望される全てのお客さまをサービス対象(無料)としています。
お客さまが事故に遭われた場合、全国約2,400か所の拠点からALSOK隊員が現場にかけつけ、二次災害防止のための安全確保や救急車・警察への連絡、事故状況の確認や当社への連絡等を行うことで、迅速かつスムーズな事故対応サポートを行います。
2020年度にこのサービスを利用されたお客さまのうち、92.8%のお客さまからご満足をいただいております。
【特徴】
お客さまが事故後に感じる不安を少しでも解消することを目的としたサービスです。“もしも”の事故の時、ALSOK隊員が現場にかけつけてお客さまに寄り添い事故対応をサポートします。お客さまにとって最適な価値を提供しつづけることを目指し、サービスレベル向上を図っていきます。
SOMPOリスクマネジメント株式会社は、SOMPOアセットマネジメント株式会社が運用する投資商品を中心に、企業の「持続可能な社会へ寄与する取り組み」について調査・分析・評価を実施しています。また、投資家へ環境情報やESG情報を提供しており、ファンドの月次レポートで組入企業のESGの優れた取り組みを紹介するとともに、年4回発行する「ぶなの森ニュース」で環境に関する旬の情報を発信しています。また、現在「環境経営調査(ぶなの森アンケート)」、「ESG経営調査」の2つのアンケート調査を実施しており、それぞれの回答企業に対し、アンケートの集計結果や業界内での相対的なレベルなど、ESG経営を推進する上で参考となる分析資料を提供しています。
【特徴】
環境経営調査やESG経営調査の実施、企業や投資家とのコミュニケーションを通じて、今後の「持続可能な社会へ寄与する取り組み」の普及・促進を図っています。
その他にも、「ESG経営体制構築・推進計画策定支援」「ESG外部評価対応支援」「バリューチェーンCO2排出量算定や支援」など新しい包括的な環境サービスを開発し、企業の戦略的なCSRや環境の取組みを支援するコンサルティングを実施しています。
SOMPOリスクマネジメント株式会社は、研究機関との協力の下、文部科学省プロジェクトで開発したアンサンブル気候予測データ(d4PDF/d2PDF)を用いて、気候変動リスク定量化モデルを開発しました。SOMPOリスクマネジメントは本モデルを活用し、気候変動の影響の分析・開示を推進する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同した企業向けに、気候変動リスク及び機会に関する分析サービスを提供しています。また、分析の結果に基づくBCP(事業継続計画)策定支援等の対策を実施し、企業のリスクマネジメント高度化をサポートします。
【特徴】
企業の事業拠点情報や不動産投融資ポートフォリオに関する情報をもとに、気候変動に伴う台風・洪水リスクの変化を、SOMPOリスクマネジメントが開発した気候変動リスク定量化モデルによって定量化します。本分析により、気候変動に伴う事業インパクトを把握することが可能です。
自然災害による風災や水害は、工場操業に大きな影響を与えます。これに備えるためには、建物や敷地の状況を正確に把握しておくことが必要です。
しかしながら、古い建物では、簡単に屋根を点検することが難しいものも多数存在しています。一般的に高所や屋根等の点検は足場の準備、高所作業による作業者の安全確保等により、多額の費用や時間を要します。このため、適時の点検が行えず、屋根の浮き等の発見が遅れ、風災(屋根のめくれ)や風災による水濡れ損害(めくれた箇所から雨水の浸入)につながることが少なくありません。また、平坦に見える敷地でも、実際には高低差があり、浸水リスクの高い場所を事前に把握するためには、微細な地形を把握する必要があります。
このようなリスクについて、SOMPOリスクでは、熟練オペレーターと構造設計一級建築士を中心にしたドローン調査チームを立ち上げ、本サービスの提供を開始しています。
(主なサービスメニュー)
① 屋根調査
② 浸水リスク調査
③ 3D浸水アニメーション(標高データから浸水の広がりイメージをアニメーションで表示)
④ ドローンリモートライブ調査(調査状況をリアルタイムかつ高画質で施設関係者とリモート共有)
【特徴】
① 屋根等の点検に必要な仮設の足場等が不要であるため、比較的容易かつ広範囲の調査が可能となり、早期に修理等が必要な箇所をスクリーニングすることが可能です。
② ドローンで撮影した画像を3次元処理することで、敷地内の詳細の地形データを得ることができ、敷地内の浸水しやすいウィークポイントを効率的に測量し、見つけることができます。
③ 調査結果を写真や動画で保存し、前回の調査結果と比較することで、経年の変化を確認することができます。また、万が一、損害が発生した場合に平時の調査結果を参照することで迅速な確認が可能となります。
SDGsの社会的浸透に伴って、多くの企業が不動産を活用した持続可能な社会の実現に向けて取り組みを加速しています。国内REIT(不動産投資信託)では環境性能の高い不動産をポートフォリオに組み込むことで投資主価値の向上に取り組んでおり、多くの企業はオフィスや店舗などの省エネルギー対策を加速しています。環境面だけではなく、住み続けられるまちづくりを実現するために自然災害に対して強靭で、かつ脆弱な立場にある人々に配慮した不動産の開発も引き続き求められています。
SOMPOリスクマネジメント株式会社では不動産の環境性能評価、遵法性調査、長期修繕費用算定やバリアフリーコンサルティングなど各種サービスメニューを提供してきました。これらノウハウを活用して、不動産に求められる多様な機能を総合的にサポートするサービス『サステナブル不動産コンサルティング』を提供します。
具体的には下記の主なコンサルティングメニューを中心に、お客さまの不動産活用・管理状況に合わせた最適なコンサルティングメニューをパッケージングして長期的な支援策をご提案します。
【主なコンサルティングメニュー】
CASBEEウェルネスオフィス評価認証取得支援
ZEB化支援コンサルティング(ゼブ:ゼロ・エネルギー・ビル)
CASBEE不動産評価認証取得支援
気候変動リスク分析サービス(TCFD対応サポート)
建物遵法性コンサルティング
建物バリアフリーコンサルティング
建物劣化状況調査および修繕コンサルティング
自然災害リスク評価
土壌汚染コンサルティング など
【特徴】
SDGsやESG全般を専門とするコンサルタントや不動産の環境性能評価に特化したコンサルタント、建物構造や自然災害といった物理的なリスクを評価するコンサルタントなど分野を横断した専門家でチームを組成して、様々な視点からお客さまの不動産活用・管理方法をご提案いたします。
2009年に株式会社損害保険ジャパンは、西新宿超高層ビルの当事者として、また、損害保険会社としての使命として、西新宿の超高層ビル街区における「防災まちづくり」に積極的な役割を果たしていくことを、地域の関係者のみなさまに宣言致しました。それ以来、グループ会社のひとつであるSOMPOリスクマネジメント株式会社(※1)が新宿駅西口地域の1事業者として、新宿駅周辺防災対策協議会西口部会の幹事会メンバーを務め、新宿区や地域の事業者および大学などと連携し、地域防災力の向上を図るため、地域連携による訓練やセミナー・講習会などの企画・実施に積極的に参画し、地域における災害時の自助・共助の実効性向上に貢献しています。
2010年以降の具体的な活動としては、地域連携訓練と地域のセミナー・講習会の実施を通じた活動が挙げられます。年に一度開催される地域連携訓練では、グループを挙げて企画段階から主体的に参加し、地域に設置される新宿西口現地本部を中心として地域の被害状況等の情報を共有するとともに、地域の事業者や滞留者へ情報発信を行う訓練、高層ビルにおけるモデルとなるビルを舞台とした帰宅困難者一時滞在訓練(※2)など実践的な取り組みを行っています。また、協議会が主催するセミナー(※2)・講習会においても企画段階から参加し、地域の事業者と災害時の自助・共助活動や新宿新都心における「防災まちづくり」のあり方についてディスカションを行い、毎年テーマを定めてセミナー等のプログラムを策定し、地域の事業者の方々の防災リテラシーの向上や実践的な防災スキルの向上を支援しています。その他にも、地域内の事業者との連携による傷病者対応講習会の企画運営を支援しています。
また2016年度より、損害保険ジャパン株式会社が平常時の損害調査業務に使用しているドローンを、災害時に社会貢献として高層ビル街の状況把握、意思決定、及び情報発信に活用するため、新宿区、工学院大学、株式会社理経、損害保険ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社の5者で「チーム・新宿」を結成し、その中心的メンバーとして都市部でのドローンを活用した災害時の情報収集・共有・発信に関する実証実験を継続的に実施し、社会的にも大きな反響を頂いております。
※1 さまざまな業種の企業へのBCM(事業継続マネジメント)コンサルティングサービスの提供、防災、減災に関する情報発信を行っています。
※2 2020年度は新型コロナの影響で、一時滞在施設訓練やセミナーについては開催されませんでしたが、2021年度は新型コロナ禍での対応も踏まえて例年通りの活動を行う予定です。
【特徴】
地域の自治体、大学、医療機関、事業者等の地域のステークホルダーが連携した、オープンイノベーションの取り組みです。関係各者が最新の知見や技術を積極的に活用し、災害時の情報共有、人々の安全確保、地域内滞留者への対応のあり方、情報発信等の多様なテーマについて検討を行うとともに、継続的に総合的な防災訓練や実証実験を行い、その内容の検証を行なうなど、新宿駅西口地域の「防災まちづくり」を推進しています。SOMPOグループでは、同取組みに積極的に参画しイニシアティブを発揮しています。
社員から古本などを収集して得た売却金を、日本赤十字社に寄付する活動を行っています。