活動内容

2025年度 環境大臣賞1

営農型太陽光発電所に対するプロジェクトファイナンスの実行
─オリックス銀行株式会社─

概要

  • オリックス銀行株式会社(以下、オリックス銀行)は、営農型太陽光発電所を対象に、ノンリコース型のプロジェクトファイナンスを実行。本発電所は福島県南相馬市に所在する6カ所の稼働済み営農型太陽光発電所で構成され、設備容量は合計約11MWを有する。各発電所のパネル下部ではみょうがを栽培し、農業と発電を両立している。
  • 営農型太陽光発電は、農作物の栽培を続けながら、太陽光発電による電力を供給する取組である。農地の一時転用許可を受けた上で、農地に支柱を立て、その上部に太陽光パネルを設置する。これにより、農作物の販売収入に加え、発電した電力の売電収入を得ることで、安定した収入確保が期待できる。
  • 営農型太陽光発電として農地の一部を太陽光発電用に使用する場合、農地法に基づく一時転用許可が必要となる。一時転用許可期間は原則3年以内で、継続するためには更新手続きが必要である。許可更新リスクがあるため、借入期間が長期にわたるノンリコース型プロジェクトファイナンスでの資金調達は困難であった。
  • 許可の更新リスクに対応するため、営農継続要件(適切な営農の実施・品質維持・地域の標準的な収穫量の8割以上確保)の履行体制を事業者とともに構築し、年次報告の標準化や外部専門家との連携により、許可更新の確実性向上を図った。

 

実績

  • 借入人の特別目的会社に対し、みずほ証券株式会社をアドバイザーとし、他2行の金融機関との協調によりノンリコース型のプロジェクトファイナンスを2025年6月20日に実行した。
  • 発電量および収量は計画比に対して、問題なく進行している。
<営農型太陽光発電所>
<栽培しているみょうが>

 

 

「21世紀金融行動原則」の7つの原則への対応とアピールポイント

原則(1)
  • 営農型太陽光発電所への融資を通じて、再生可能エネルギーの普及と農業の持続可能性の両立を支援している。環境負荷の低減と地域経済の活性化に貢献し、社会・経済に対するポジティブなインパクトを創出するプロジェクトである。

原則(3)
  • 脱炭素への取組として、地域の特性を生かした営農型太陽光発電への融資を実行している。これにより、福島県南相馬市における地域課題(耕作放棄地の効率的な活用、農業の収益性向上等による地域活性化、再生可能エネルギーの導入)を同時に解決し、地域経済の活性化と環境負荷の軽減を実現している。

原則(5)
  • 営農型太陽光発電所への融資は、開発事業者、地域農家、証券会社、金融機関など多様なステークホルダーとの連携により実現した。各主体の専門性を結集し、環境価値と経済価値を両立させる仕組みを構築することで、持続可能な社会の形成に貢献している。

     

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選定理由
  • 営農型太陽光発電は、農地法に基づく一時転用許可(原則3年以内・更新制)に伴う更新リスクがあることから、借入期間が長期にわたるノンリコース型プロジェクトファイナンスによる資金調達が困難であった。本取組は、このボトルネックに対し、事業者とともに営農継続要件の履行体制を構築し、年次報告の標準化や外部専門家との連携により、許可更新の確実性を高める運用を整備した点が先進的であり、今後の横展開が期待される。
  • 地域と共生する再生可能エネルギー事業として、地域経済への資金循環を生み出している点に具体性とリアリティがある。地域関係者が参画し、実際に地域に利益が還元されている構造は、持続可能な地域づくりの実践例として意義が大きい。
  • 日本が直面する食料安全保障と再生可能エネルギー導入という2つの重要課題を、営農型太陽光発電という形で同時に解決しようとする点を評価。農地の有効活用と発電を両立させるモデルは、今後の社会実装の方向性を示すトランスフォーマティブな取組である。

 

 

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