“ゼノベ”プロジェクトの始動
─株式会社日本政策投資銀行行─
─DBJアセットマネジメント株式会社─
概要
- 現在、全国のオフィスビルのストック面積のうち、約90%弱が築10年以上、約70%弱が築20年以上の既存ビルであり、これらの環境性能の向上は、日本の不動産業界における2050年ネットゼロ実現に向け不可欠な要素である。
- 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)とDBJアセットマネジメント株式会社(DBJAM)は設計会社の株式会社日建設計とともに、既存ビルのエネルギー使用量をゼロに近づけるためのリノベーションを“ゼノベ”と名付け、不動産業界のネットゼロ実現に向けた環境改修モデルの構築とその普及・浸透を目的として、“ゼノベ”プロジェクトを始動した。
- 「ゼノベ」は技術的な枠組みを超え、多様なステークホルダーとの協働を通じて、不動産投資市場におけるビルの魅力を高めることを目指している。金融機関として、こうした環境改修の実現を支援し、ビルの環境性能が経済的な価値に反映されるエコシステムの構築を目指している。
実績
- DBJと日建設計は、本プロジェクトの第一弾として、DBJAMが組成・運用を行う合同会社Green Building Ecosystemを通じて、大阪・淀屋橋に所在する築56年のオフィスビル「日建ビル 1号館」を取得し、2024年に環境改修工事を開始した。
- 断熱性能の向上、空調システムの容量と仕様の見直し等、環境負荷を低減させる効果的な施策の組み合わせにより、省エネで50%以下まで使用エネルギーを減らすZEB Readyを達成し、建築・ファイナンス・ESG等の知見やノウハウを相互に活用した環境改修を推進し、不動産市場における新たな付加価値の創造を目指している。工事と並行して、2025年3月の竣工を目指し、テナントリーシング活動を推進している。
該当原則
原則1 原則5 原則6
選定理由
- 不動産業界のネットゼロ実現に向けた最重要テーマの一つである、既存ビルの環境性能の向上という課題に向き合い、技術パートナーやサプライヤーと連携しながら環境改修モデルの構築に取組み、普及・浸透に取組んでいる点を高く評価する。
- 今後、改修の費用対効果の実証も継続し、不動産投資市場における“ゼノベ”ビルの魅力を高め、ひいては社会全体の既存ビルに対する価値観の転換にまで発展することを期待する。
- テナントやビルオーナーとの対話を重視している点、テナント自身の行動変容を促す設計等、ステークホルダーを積極的に巻き込みながらカーボンニュートラルに向かう姿勢にも強く共感できる。
以上から、選定委員長賞に選定する。