今年も多くの意欲的な取組に接することができました。改めて応募機関に感謝申し上げます。
21世紀金融行動原則が誕生してから早14年、日本の金融界にもサステナブルファイナンスが広く浸透し始めているのは大変喜ばしいことです。とは言え、気候変動はもとより、生物多様性の喪失など、地球環境は劣化の一途を辿っており、このままでは未来世代への責任が果たせない状況にあります。こうした中で、危機感を一層募らせる世界では、単に、グリーントランスフォーメーション(GX)に取組むだけでなく、国はもとより、産業や経済においても、GXを21世紀の生き残りを掛けたサバイバルゲームとして受け止めているのは、皆さん、よくご承知のところだと思います。一国の産業や経済を勝利者にするためには、金融自らがポートフォリオ全体をグリーン化するくらいの覚悟が必要です。取引先と金融機関が高いレベルでのグリーン対グリーンの関係を築いてこそ、金融自身も21世紀の勝ち組として残れるのではないでしょうか。これこそが21世紀が求める金融の社会的責任です。
こうした危機感の下、最優良取組事例の選定委員会は、世界との競争において日本が置いてけぼりを喰わないための真の脱炭素実現へ向けた取組を掘り起こし、光を当てたいという願いを委員全員で共有し選定作業に当たりました。
今年度から「総合」と「地域」の部門設定を排し一本化ましたが、環境金融のすそ野を拡大するべく、環境大臣賞を二つの地域金融機関に贈ることにしました。受賞機関はもとよりですが、応募機関すべてが、自らの取組に自信と誇りをもって、金融に託された社会インフラとしての責任を果たされることを強く願っています。
折しも、1.5℃目標を掲げるパリ協定も新たなステージを迎える中、日本政府も「GX2040ビジョン」等を掲げ、ネットゼロへの取組が本格化します。これからの5~10年が勝負の時です。日本にとっては正念場です。
21世紀金融行動原則の署名金融機関の皆様の更なる奮闘を期待してやみません。
2025年3月12日
21世紀金融行動原則 最優良取組事例選定委員会委員長
末吉 竹二郎