中小企業向け脱炭素ワンストップ支援メニュー
「対話型カーボンニュートラルプログラム」の策定と推進
─十六リース 株式会社─
概要
- 十六リース株式会社は、「低炭素・脱炭素機器」導入の営業活動を行う中で、主要取引先である中小企業の多くが脱炭素について二の足を踏んでいる事態を把握。2022年8月より「CO2(二酸化炭素)排出量を算定する業者を紹介して可視化~削減目標を策定可能とする流れを構築」する「対話型カーボンニュートラルプログラム」の取扱いを開始。
- 対話の中から顧客のニーズを捉え、メニュー拡充を重ねた結果、以下のようなワンストップ支援メニューに進展。
- CO2排出量の可視化:独自開発した簡易算定ツール(CO2ミレル)による可視化
- 省エネルギー化:省エネ設備の紹介(ESGリース等、補助金の活用提案含む)
- 創エネ:太陽光発電設備、バイオマスプラント等、顧客のエネルギー創出提案
- 燃料転換:電気/燃料電池自動車の導入等、燃料転換に向けた取組支援
- オフセット:リースで取り扱う設備から排出されるCO2を計算してオフセットすることを目的とした「排出権付リース」と排出権の購入を支援する「排出権売買サポート」
- グループ会社との連携体制は以下のとおり。
- 十六銀行に対してCO2ミレルの説明を行い、顧客紹介を依頼して対応先を拡大中。また、十六リースの顧客の中で、より高度なアプローチを希望する取引先に対しては、十六銀行の脱炭素支援メニューを紹介する動きも実施し、グループ内での連携により、地域のカーボンニュートラルを目指している。
- 十六リースは十六銀行の支店長経験者が多く在籍し、顧客とのコミュニケーションを通じてソリューション提案を行うことを得意としているため、本プログラムは、脱炭素コンサルティング要素を加えた、対話力を生かすメニュー構成としている。本プログラム提案の推進により、社内全体の営業力も向上した。
実績
項目 | 2023年度 | 2024年度(2025年1月末) |
---|---|---|
CO2ミレル | 180件 | 44件 |
ESGリース | 73件 | 74件 |
省エネ補助金(自治体補助金含む) | 18件 | 27件 |
低炭素ディーゼルトラック補助金 | 27件 | 17件 |
排出権リース/売買サポート | 6件 | 3件 |
「21世紀金融行動原則」の7つの原則への対応とアピールポイント
原則(1)
-
設備の取扱いを行うリース会社として、地域の取引先における低炭素・脱炭素機器の導入サポートを行うことで、最新の高効率、省エネ効果の高い機器を導入することに関わり、地域社会の環境負荷を和らげることに寄与している。カーボンオフセット支援を行うことで、取引先のCO2排出削減の意欲を高め、気候変動問題に主体的に関わるポジティブなインパクトがあると考えており、地方自治体とともにオフセットのPR活動も実施し、地域企業が脱炭素に取り組む流れにも貢献している(岐阜県県営林J-クレジットの対応)。
原則(3)
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脱炭素への取組に対して、方向性が見出せない取引先に、自社のCO2排出量を簡便に可視化することで気づきを与え、具体的な計画、行動を促すことにつなげている。CO2排出量を簡便に計算できるツールを自社で作成したことについては、他社にない先進的な対応であると考えている。
原則(6)
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取引先との対話を通じた営業活動を継続しながら、脱炭素の支援メニューを増やしてきた。リース事業者として、設備投資を通じた顧客ニーズを十分に把握した上でメニューを策定しているため、「対話型カーボンニュートラルプログラム」は取引先とのエンゲージメントを強化する一助となっている。
選定理由
- 低炭素・脱炭素機器の導入により脱炭素経営を促進する立場のリース会社が、CO2排出量の可視化とオフセットも加えた「ワンストップ支援メニュー」を単独で中小企業向けに策定・推進している点が画期的。横展開されれば、日本全体のカーボンニュートラルへの大きな貢献が期待できる。
- CO2排出削減目標を策定した上で顧客とのエンゲージメントに取組んでいる点、「排出権付リース」の独自性、ベテラン社員の対話力を脱炭素の領域で生かしている点は注目に値する。
- 各支援メニューの件数だけでなく、CO2削減量の開示を進め、同時に2030~2050年の野心的な目標策定を期待したい。
- 大上段に構えるのではなく、必要な各種設備をリースするという活動の中で低炭素・脱炭素のソリューション提案をすることは、地域の実情にあった着実な取組である。
以上から、環境大臣賞に選定する。