預金者と事業者の想いの共感の連鎖をつなぐ地域エコシステムの構築
─京都信用金庫─
概要
- 地域金融機関ならではの間接金融の手法により地域の預金を預金者の想いと共に社会課題解決を目指す事業者への融資に充当し、このような事業者と一般個人を繋げることで共感とコミュニティを創出し、地域経済の好循環に繋げることで持続可能な地域エコシステムの構築に取り組んでいる。これは、当金庫の預金商品「京信ソーシャル・グッド預金」、融資商品「京信ソーシャル・グッド融資」及び三つの信用金庫と大学で協働し立ち上げた認証制度「ソーシャル企業認証制度 S認証」の3つの制度を軸とした取り組み。
- <京信ソーシャル・グッド預金(以下、S預金)> お客様からお預かりした資金を地域の事業者への融資金として活用する「間接金融」の手法を通じて、地域社会の持続性を高めることを目的とした定期預金商品。当預金は、預入時に6つの社会課題(地域、文化、医療・福祉、教育、環境、働き方)から応援したいテーマ一つを選択する。また、預金者限定LINE公式アカウントに登録することができ、S認証企業の紹介動画やイベントの案内が配信されるだけでなく、預金者はS認証企業へ応援メッセージの送付ができ、同金庫から企業に届けられる。 預金者とS認証企業とのイベントをはじめとした交流の場も実施していく。
- <京信ソーシャル・グッド融資(以下、S融資)> S預金で預かった資金を元に、ソーシャルビジネスを営む事業者(S認証企業および同金庫が認めたソーシャルビジネスを行っている方)へ、事業活動を応援する融資商品。
- <ソーシャル企業認証制度 S認証(以下、S認証)> 当金庫、京都北都信金、湖東信金、龍谷大学YSBRC間で締結された連携協定(以下、連携協定)のもと、法人を設立し2021年4月から運用を開始。 当認証制度は、社会課題の解決やESG経営を目指す企業に対し、経営方針や事業内容、社会的インパクトなどを基準に、評価・認証を行う制度。 認証企業の取り組みやインパクトを可視化し発信することで、社会課題に取り組む企業を応援し、認証企業のイベントなどを通じてコミュニティを創出する。これらの取組みにより、地域社会のソーシャルマインドを醸成し持続可能な地域社会の実現を目指す。
実績(2022年9月末時点)
- <京信ソーシャル・グッド預金>(2022年1月より取扱開始) 口座数:7,007件、預金総額:8,087百万円(テーマ別件数内訳 地域:1,308件、文化:624件、医療・福祉:2,871件、教育:959件、環境:818件、働き方:427件)京信ソーシャル・グッド預金公式LINEでの企業紹介 8事業者
- <京信ソーシャル・グッド融資>(2022年4月より取扱開始) 融資実行件数:551件、融資総額:427百万円
- <ソーシャル企業認証制度 S認証>(2021年4月より取扱開始) 認証企業数:640件
該当原則
原則1 原則3 原則4 原則5 原則6 原則7
選定理由
- 同金庫が掲げるコミュニティ・バンクの基本理念を元に、地域での資金循環による課題解決の方法として、一般消費者である預金者も参加できる金融サービスを提供している。
- 同金庫が媒介となり、地域課題の解決に取り組む企業と預金者の間で双方向の情報発信を演出することで、地域を挙げたソーシャルマインドの醸成に取組んでいる。
- 近年、同金庫が取り組んでいる地域をトータルとして巻き込む諸活動は、これからの地域金融機関のあるべき姿の一つのモデルともいえる。