J-REIT 初のグリーンボンドの発行
─三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社─
概要
- 三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(MC-UBS)が運用する日本リテールファンド投資法人(JRF)は、①新しい資金調達手段の獲得、②投資家層の拡大、③投資法人債市場の活性化、④サステナビリティ活動の強化を目的として、2018年5月にグリーンボンド(5年/80億円)を発行。
- 今回のグリーンボンド発行は、JRFがこれまで積み重ねてきたサステナビリティ活動の財務面における結実であり、発行額を大幅に上回る需要を集めるなど、幅広い投資家に評価を受けた。
- また、本発行後、2018年12月までにJ-REIT市場において5件のグリーンボンドが発行及び発行表明されたことからも、上記の目的は達成できたと考えており、JRFの今後のサステナビリティ活動のさらなる促進に繋がるものと考えている。
実績
- JRFでは保有物件の環境認証・評価の取得を進めており、2018 年8月末現在、CASBEE不動産評価認証13物件、DBJ Green Building認証20物件、BELS評価1物件で取得し、ポートフォリオにおける環境認証取得率は82.8%(延床面積ベース)と、非常に高くなっている。さらに、J-REITで初めて、気候変動情報開示に対する活動を評価するCDP気候変動プログラムに参加し、カーボンリスク対策として保有物件のエネルギー使用量・CO2 排出量を定期的に開示している。こうした取組が評価され、2018年グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク(GRESB)リアルエステイト評価において、アジアの商業セクターにおけるSector Leaderに選出され、4年連続で最高位の「Green Star」を取得、相対評価に基づく「GRESBレーティング」も最高評価の5つ星を取得している。また、一連のサステナビリティ活動が評価され、JRFは2017年に続き「MSCIジャパンESGセレクトリーダー指数」に組入れられた。本指数はニューヨーク証券取引所に上場するMSCI社が提供するESG指数として開発されたインデックスで、時価総額が一定基準を満たした銘柄の内、ESG評価の高い銘柄のみを選出しており、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は本指数に連動したパッシブ運用を開始している。2017年7月開始時に本指数に組み入れられたJ-REIT6銘柄のうち、JRFはJ-REIT内組入比率第1位となっている。
該当原則
原則2 原則4 原則6 原則7(原則についての説明はこちら)
選定理由
- J-REIT初のグリーンボンドという新規性と、投資法人債市場への波及効果がみられ、今後の展開にも具体性があり、さらなる発展が見込める点は、高く評価できる。