自動車通販事業を通じた環境配慮と安全運転の啓発

自動車通販事業を通じた環境配慮と安全運転の啓発

自動車通販事業を中核とした事業戦略の中で、2010年度から環境に配慮した以下の取り組みを実施しています。・通販専用自動車保険におけるインターネット完結の推進お客さまがインターネットにより申込手続を行った場合、インターネット割引(10,000円※)を適用し、インターネットによる申込みを推進しています。本取組みにより、申し込みに関する紙の使用削減につなげています。2016年度のインターネット割引適用契約の対象自動車保険契約に占める割合は、99.4%でした。※印 保険料を一括でお支払いいただいた場合の割引額・保険始期日が2017年7月1日以降の契約を対象に、デジタル保険証券を発行し、お客さまがマイページ上でいつでも保険証券を確認できるようになりました。本取組みにより、紙の使用を削減しています。・オフィシャルホームページにおける自動車保険コンテンツの充実オフィシャルホームページを閲覧されたお客さまが安心して保険にご加入いただけるよう、事故事例や保険金のお支払いまでの過程を掲載するなど、お客さまに自動車保険に関するさまざまな知識・情報を提供し、安全運転に対する意識の浸透を行っています。【特徴】今後も引き続きインターネットでの手続きを推奨することにより、紙の使用量削減を推進していきます。また、お客さまからの問合せ内容を反映するなど、オフィシャルホームページのコンテンツを充実させることにより、お客さまの安全・安心に向けた啓蒙を図っていきます。

環境に配慮した商品戦略の推進

自動車保険商品において、当社所定の条件に該当する自動車を対象に、電気・ハイブリット車割引(割引額1,200円)を導入し、消費者がCO2排出量の少ないエコカーを購入することを促進しています。2016年度の電気・ハイブリッド車割引適用契約の対象自動車保険契約に占める割合は、2.4%でした。【特徴】割引については、オフィシャルホームページにおいて、見出しや挿絵により、お客さまが分かりやすいよう工夫をしています。また、割引を通じて間接的に「持続可能な社会の形成に寄与する産業」の発展に資するべく推進しています。

気候変動影響を考慮した東/東南アジアにおける洪水リスク評価手法の開発

SOMPOリスケアマネジメント株式会社は、2010年度から、京都大学および神戸大学と共同で、気候変動を考慮した洪水リスク評価手法の研究開発に取り組んでいます。2015年度までに、洪水氾濫シミュレーションモデルを利用して日本全域の洪水リスクを定量的に評価する体系を構築しました。2016年度以降には、気候変動の影響による洪水リスクが特に増大すると懸念されている東/東南アジア地域に対象を拡大して、洪水リスク評価手法の研究開発を進めています。今後は、日本国内においては国や地方自治体など行政機関の災害対策・施策への活用・連携を、自然災害に脆弱な東/東南アジア地域の途上国においては、地球規模の気候変動・異常気象に対する適応策としての洪水リスクマネジメントに資する研究開発と情報提供を目指します。【特徴】日本全域の洪水リスク評価においては、地球温暖化予測シナリオに基づく全球気候モデルの情報を活用し、台風に伴う豪雨や前線性豪雨などあらゆる豪雨の発生頻度をモデル化しています。さらに、日本全域の内水氾濫と一級河川による外水氾濫をシミュレーションする洪水氾濫モデルにより、豪雨による浸水を工学的な手法で計算することができます。これに、建物や機械設備の浸水被害を評価する脆弱性モデルを組み合わせることにより、日本全域の洪水リスク(洪水による被害額)を網羅的かつ統一的に定量評価する体系を構築しています。当モデルは、洪水被害額の年間期待値や、100年に1回の被害額といった再現期間別の評価など、洪水リスクの確率論的評価が可能となっています。これにより、期待される効果に見合った適応策を検討・実施するために、有用な情報を提供することが可能です。

新宿駅西口地域での防災まちづくりへの参画

2009年に株式会社損害保険ジャパン(現・損害保険ジャパン日本興亜株式会社)は、西新宿超高層ビルの当事者として、また、損害保険会社としての使命として、西新宿の超高層ビル街区における「防災まちづくり」に積極的な役割を果たしていくことを、地域の関係者のみなさまに宣言致しました。それ以来、グループ会社のひとつであるSOMPOリスケアマネジメント株式会社(※)が新宿駅西口地域の1事業者として、新宿駅周辺防災対策協議会西口部会の幹事会メンバーを務め、新宿区や地域の事業者および大学などと連携し、地域防災力の向上を図るため、地域連携による訓練やセミナー・講習会などの企画・実施に参画し、地域における災害時の自助・共助の実効性向上に貢献しています。2010年以降の具体的な活動としては、地域連携訓練と地域のセミナー・講習会の実施を通じた活動が挙げられます。年に一度開催される地域連携訓練では、グループを挙げて企画段階から主体的に参加し、地域内の事業者や医療機関等との連携による傷病者対応訓練、地域に設置される新宿西口現地本部を中心として地域の被害状況等の情報を共有するとともに地域の事業者や滞留者へ情報発信を行う訓練、高層ビルにおける自衛消防隊のあり方(負傷者数や建物安全診断の試行)に関する訓練などを行っています。また、協議会が主催するセミナー・講習会においても企画段階から参加し、地域の事業者と災害時の自助・共助活動や新宿新都心における「防災まちづくり」のあり方についてディスカションを行い、毎年テーマを定めてセミナー等のプログラムを策定し、地域の事業者の方々の防災リテラシーの向上や実践的な防災スキルの向上を支援しています。また2016年度より、損害保険ジャパン日本興亜株式会社が平常時の損害調査業務に使用しているドローンを、災害時に社会貢献として高層ビル街の状況把握、意思決定、及び情報発信に活用するため、新宿区、工学院大学、株式会社理経、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、SOMPOリスケアマネジメント株式会社の5者で「チーム・新宿」を結成し、その中心的メンバーとして日本で初めての実証実験を実施し、社会的にも大きな反響を頂いております。※さまざまな業種の企業へのBCM(事業継続マネジメント)コンサルティングサービスの提供、防災、減災に関する情報発信を行っています。【特徴】自治体、大学、医療機関、事業者等の地域のステークホルダーが連携して、最新の知見や技術についても積極的に取り入れ、災害時の情報共有、人々の安全確保、地域内滞留者への対応のあり方、情報発信等の多様なテーマについて検討を行うとともに、継続的に総合的な防災訓練や実証実験を行い、その内容の検証を行なうなど、新宿駅西口地域の「防災まちづくり」を推進しています。損保ジャパン日本興亜グループでは、同取組みに積極的に参画しイニシアティブを発揮しています。

エコファンド及びSRIファンドを通じて企業の環境経営度分析およびCSR経営度分析を実施

SOMPOリスケアマネジメント株式会社は、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社が販売している投資信託のうち、4つのエコファンドと2つのSRIファンドで、企業の「持続可能な社会へ寄与する取組み」について経営度分析を実施しています。また、投資家へ環境情報を提供する環境コミュニケーションの取り組みを行っています。エコファンドの週次・月次のレポートでエコファンド投資信託の組入銘柄企業の優れた環境への取組みを紹介するとともに、環境に関する最新情報を掲載したニュースを年4回発行する業務を担っています。また、アンケートに回答していただいた企業に対しても、アンケートの集計結果や質問項目ごとの自社の取組みの業界内での相対的なレベルなど、環境経営を推進する上で参考になる分析資料を提供しています。【特徴】環境経営度分析やCSR経営度分析の実施と企業や投資家とのコミュニケーションを通じて、今後の環境やCSRの取組みの普及・促進を図っています。その他にも、「ISO26000に基づくCSR経営戦略コンサルティングサービス」、「生物多様性コンサルティングサービス」、「再生可能エネルギー・リスク診断サービス」、「メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業者向けリスクコンサルティングサービス」、「バリューチェーンCO2排出量の算定やCO2排出削減貢献量の算定を支援するサービス」など新しい包括的な環境サービスを開発し、企業の戦略的なCSRや環境の取組みを支援するコンサルティングを実施しています。さらに、CASBEE評価認証機関、東京都および埼玉県の排出量取引制度の登録検証機関としての業務を通じて、適切な建築物の維持保全と低炭素化を支援しています。

風力発電プロジェクトにおけるリスクに対する各種サービスの開発

資源が枯渇することがなく、また地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しない再生可能エネルギー発電のひとつである風力発電は、一方で故障や事故も多く発生しています。低炭素社会を確実に実現していくためには、今後も多くの開発が予定されている風力発電プロジェクトの健全性を維持・強化する必要があります。各種のサービスの提供により、風力発電が抱える各種リスクを分析・診断し、適切なリスク対策をアドバイスすることにより、低炭素社会の実現に向けて、風力発電プロジェクトをサポートしています。【特徴】計画段階の風力発電の各種リスクを診断するサービス、風力発電の財務影響を評価するサービス、風力発電のリスクを点検するサービス、等を提供しています。

投融資でのESG配慮

SOMPOホールディングスでは、主に、道路、空港、電力、上下水道などのインフラを対象とした成長分野への投融資を積極的に行っており、その中で環境に配慮した再生可能エネルギー発電事業を対象とした投融資を行っております。こうした事業への投融資は、景気変動の影響を受けにくく、長期にわたり安定した収益を期待できます。国内のエネルギー供給は石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料が9割以上を占めており、その大部分は海外に依存しておりますが、近年、新興国の経済発展を背景として、世界的にエネルギー需要が増大しており、また、化石燃料が乱高下するなど、エネルギー市場が不安定化しています。加えて化石燃料の利用に伴って発生する温室効果ガスを削減することが重要な課題となっています。SOMPOホールディングスグループでは資源枯渇の恐れがなく、環境への負荷が少ない再生可能エネルギー普及の一助のため、2007年度より個人向け太陽光発電提携融資の取扱を開始しました。2014年度より対象の多様化や、大型案件の取組みを進めており、2016年度は、太陽光発電・風力発電システムなどを対象とした投融資を約21.8億円実施しました。【特徴】商品・サービスの提供に加え、投融資において環境へ配慮し、特に再生可能エネルギー普及に取り組んでいます。

バリューチェーンを通じた環境負荷の全体像と環境保全の取組み

当社はグループ全体で2020年までに2002年度比40%削減、2050年度までに70%削減のGHG排出量削減目標を設定し、環境に配慮した調達、省エネ・省資源の取組みを展開するとともに、バリューチェーン全体の環境負荷低減に努めています。GHG排出量の算定対象とする活動には、ガソリンなどの使用による直接排出だけでなく、営業・出張、紙・印刷の使用、物流、廃棄などの事業活動に伴う間接排出、スコープ3も含めています。2016年度は、LED等の高効率機器の導入、社員の生産性向上の継続的な取組み等により、GHG排出量は前年度比3.6%削減、2002年度比42.4%の削減となりました。2020年までの削減目標を達成した今、中長期的な目標は見直し予定です。【特徴】国内グループ会社等27社、約4万人を対象としたCSRマネジメントシステムの運用により、2017年1月にISO14001を取得しており、グループ全体での取り組みを加速させています。

「SAVE JAPAN プロジェクト」

お客さまがご契約時、「Web証券」や「Web約款」を選択いただいた場合や、自動車事故の修理時にリサイクル部品などを活用いただくことにより、削減できたコストの一部を原資に、国内の自然環境を守るとともに次世代育成を意識しながら持続可能な社会の実現に取組むプロジェクトを実施しています。NPO などとの協働を通じて、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供するとともに、サステナブルな社会の実現に取り組んでいます。2011年の開始から2017年3月までに延べ647回のイベントを開催し、32,175人の皆さまに参加いただいています。2013年度からは、多様な主体が協働で社会的課題の解決を目指すアプローチである「コレクティブ・インパクト」を測定・評価する試みの一つとして、SROI*分析を用いて本プロジェクトの社会的価値の定量把握に取り組み、プログラムの改善、スケールアップを目指しています。この試みは、生物多様性保全分野において、SROI分析を用いて社会的価値を算出した国内最初の事例として3年間継続しました。最終年度である2015年度の社会的価値総額(総便益)は約1億4,883万円、要した費用は約7,455万円、SROI は2.00となりました。SROIが1を大きく超えたことで、プロジェクトの有効性が示され、また、2013年度1.12、2014年度1.76であったことから、長期的に波及効果が広がり、社会的投資に対する効果は向上したことになります。2016年度からは、より地域の独自性を活かして「いきものが住みやすい環境づくり」を進めることを目的に、新たな市民の皆さまに参加いただく機会を提供するとともに地域の多様なステークホルダーとの協働により、プロジェクトの発展を目指していきます。*SROI (社会的投資収益率、Social Return on Investment)=事業の展開によって生じた社会的価値総額(総便益)/要した費用事業の有効性などを計測する手法です。【参考】SAVE JAPAN プロジェクト専用ホームページhttp://savejapan-pj.net/【特徴】本プロジェクトは、これまで培ってきたNPOとのパートナーシップを、社会貢献のステージから本業を通じた協働へと進化させた取組みの一つです。保険商品と融合させることで、全国各地の環境NPOなど多くの団体との協働に加え、保険販売代理店、そのお客さまも巻き込み、バリューチェーン全体での環境配慮意識の向上を目指しています。また、各地域で実施した活動は、SAVE JAPANプロジェクト専用ホームページやFacebookに公開するほか、各地の地方紙、民放テレビ、FMラジオなどのマスコミ、各NPOが発行する情報誌にも数多く取り上げられており、活動に参加されていない市民にも生物多様性の大切さを知っていただくプロジェクトとなっています。

環境分野の人材育成 ~(公財)損保ジャパン日本興亜環境財団~

損保ジャパン日本興亜環境財団では、「木を植える『人』を育てる」という理念のもと、環境分野で活躍する人材の育成支援、環境保全に関する活動・研究支援や環境教育などの振興を通して地球環境保全に資することを目指しています。1993年から損保ジャパン日本興亜、損保ジャパン日本興亜環境財団および公益社団法人日本環境教育フォーラムの3者共催で一般市民向けの講座として開講している「市民のための環境公開講座」は、これまでに延べ18,948人の方々に参加いただきました。また、2000年から開始した大学生・大学院生を対象とする環境NPO/NGO での8か月間の長期インターンシップ制度「CSOラーニング制度」には、2016年度末までに955人の方々に環境問題や市民社会について学ぶ機会を提供しています。さらに、2001年から大学院生の博士論文作成費用を支援する「学術研究助成」を実施し、環境をテーマとする意欲に満ちた優秀な若手研究者の研究を支援しています。【特徴】『環境人材の育成』は、損保ジャパン日本興亜のCSRの原点でもあり、20年以上にわたって継続・発展させています。NPOとのパートナーシップは、社会課題への感度の高い社員の育成や、商品・サービスの開発にも生かされ、単なる社外事業ではなく、本業における多くの良い影響が得られています。

全国に広がる代理店と連携した環境負荷低減の推進

全国に広がる代理店と連携しながらバリューチェーン全体での環境負荷低減に取り組み、地域に根ざした環境保全活動の展開のため、継続的な啓発活動と組織的な推進を図っています。自動車整備工場代理店の全国代理店組織「AIRオートクラブ」では、2008年度から、会員の中で環境に配慮した事業活動を積極的に行う自動車整備事業者のボランタリーチェーングループ「エアeショップ21」を展開しています。エアeショップ21グループでは環境に関する国際規格「ISO 14001」を全店で取得するなど、CO2削減の取組みに力を入れてきました。また、グループ加盟店は各社工夫をこらし、自動車整備業において特に削減効果の高い「リサイクル部品の使用促進」、「電力使用量の削減」などを積極的に行ってきました。CO2を毎年着実に削減し、2014年度は約350トンの削減を達成しています。これらの取組みが評価され、エアeショップ21は、環境省「平成27年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰<対策活動実践・普及部門>」を受彰しました。また、全国プロ代理店組織「JSA中核会」では、「AIRオートクラブ」と共同で、インターネットの集中購買システムを活用したグリーン購入の推進に取組んでおり、両組織あわせておよそ4,500会員(2017年3月現在)の会員登録をいただいています。【特徴】2つの全国代理店組織共同で、インターネットの集中購買システムを活用したグリーン購入の推進や地域に根ざした社会貢献活動を展開するなど、代理店組織が全国各地の情報発信拠点となって、お客さまや地域の皆さまへそれらの取組みの輪をひろげています。

東南アジアでの『天候インデックス保険』の提供

天候インデックス保険とは、気温、風量、降水量、日照時間などの天候指標が、事前に定めた一定の条件を満たした場合に定額の保険金額をお支払いする保険商品です。当社グループは、SOMPOリスケアマネジメントによるリスク評価技術を活用することで、気候変動の影響を受けやすい農業が主な産業である東南アジアにおいて、農業経営リスクの軽減を目的とした『天候インデックス保険』を提供しています。2010年、タイ東北部の稲作農家の干ばつ被害の軽減を目的とした『天候インデックス保険』の販売を開始しました。タイ農業協同組合銀行(BAAC)と協働し、BAAC がローン契約者である農家に対して保険加入の募集を行うことで安心して加入できるスキームを構築し、年々販売対象範囲を拡大しています。ミャンマーにおいても、中央乾燥地帯の米農家とゴマ農家を対象に、干ばつリスクに対応した『天候インデックス保険』を一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)と共同で開発しました。この保険では、地球観測衛星から推定された雨量データを活用しています。また、フィリピンでは、農業生産者を対象に、台風の中心が対象エリアを通過した際に一定の保険金が支払われる『台風ガード保険』を提供しています。さらにインドネシアでは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受けながら『天候インデックス保険』の開発を開始しています。これらの成果が認められ、本取組みは、国連開発計画(UNDP)が主導する、商業活動と持続可能な開発を両立するビジネスモデルの構築を促進する「ビジネス行動要請(BCtA)」に応える取組みに認定されました。また、2016年には環境省「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」の定時総会において、環境大臣賞を受賞しました。さらに、ミャンマーでの取組みは、第2回宇宙開発利用大賞で内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞を受賞しました。 当社グループは、2025年までにタイを含む東南アジアにおいて3万軒の農家に『天候インデックス保険』を提供することを目標として取り組んでいきます。【特徴】農業分野における気候変動策として民間保険会社の天候デリバティブの手法の有効性が実証されつつある事例として、国際機関や政府機関などからも期待が寄せられています。2015年には、国連開発計画(以下、「UNDP」)が主導する、商業活動と持続可能な開発を両立するビジネスモデルの構築を促進する「ビジネス行動要請(以下、「BCtA」)」(※)に応える取組みとして認定されました。これは日本の金融機関として初、世界の損害保険グループとして初の認定になります。※ビジネス行動要請(BCtA:Business Call to Action)BCtA とは、2008年に発足した国連開発計画(UNDP)を含む6つの開発機関・政府が主導する、長期的視点で商業目的と開発目的を同時に達成できるビジネスモデルの構築を促進する取組みです。【参考】BCtA ホームページ(http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/partnerships_initiatives/privatesector/privatesector5.html)

道路交通安全マネジメントシステムの国際規格 ISO 39001 で世界初の認証取得

世界では交通事故により多くの死亡・負傷事故が発生しており、その大半が発展途上国で起こっています。日本を含めた先進国は、事故防止のノウハウや成果を世界で積極的に共有化することが求められています。こうした背景から、国際標準化機構(ISO)の国際会議において、交通安全に対する取組みへの国際規格として「道路交通安全マネジメントシステム(ISO39001)」が2012年10月の正式発行に向けて開発・検討されました。損保ジャパン日本興亜は損害保険会社として、交通事故による損害を保険で支えるという役割を担うとともに、事故を未然に防ぐサービスを提供することも重要な使命です。そこで当社は、SOMPOリスケアマネジメントと連携し、本規格のドラフト作成段階に実施されたパイロット事業に参画し、さらには、2012年10月に世界初の認証を取得しました。認証取得以降、事故の未然防止に関する継続的な取組みについては、審査機関より高い評価を得ています。また、SOMPOリスケアマネジメントでは、ISO 39001認証取得を検討する企業を対象に、規格にかかわる各種コンサルティングサービスを提供しています。 SOMPOホールディングスグループは、今後ともお客さまのISO 39001認証取得を幅広くサポートするとともに、事故防止体制構築支援を積極的に実施するなど、さまざまな形で道路交通安全の実現に貢献していきます【特徴】この取り組みを通じて、日本国内のみならず地球規模での道路交通安全に広く貢献していくとともに、これまで実施してきた自動車事故防止活動にISO 39001の考え方を取り込むことにより、お取引企業に対する自動車事故防止支援活動の実効性をさらに高めていくことを目指しています。

ビッグデータ解析やテレマティクス技術などを活用した安全運転支援

道路交通安全マネジメントシステム(ISO 39001)認証の企業向け安全運転支援サービス『スマイリングロード』は、IoT技術の活用によりドライバーの継続的な安全運転意識の向上を促進し、管理者の効率的な指導を支援することで事故防止に貢献する業界初のテレマティクスサービスとして2015年3月に提供を開始しました。ドライバーの運転状況が「見える」「わかる」機能に加え、ドライバーを「ほめる」機能の相乗効果により、導入企業全体で事故件数が約20%減少しました。企業における自動車事故の削減や高品質な事故対応サービスを実現している点を評価いただき「2015年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経ヴェリタス賞」を、また、革新性・独創性のあるサービスとして「第1回 日本サービス大賞 優秀賞(SPRING賞)」を受賞しています。2017年1月には、さらなる安全運転意識の向上と事故防止を支援するため、「ほめる」機能を拡充するとともに、大型車両向けカーナビゲーションアプリ『トラナビスマイル』(オプション)の提供を開始しました。また、2016年1月より提供している、『スマイリングロード』のコンセプトをより多くのお客さまにお手軽にご利用いただけるように高機能カーナビゲーションなどを追加した、個人向けのスマートフォン用アプリ『ポータブル スマイリングロード』も保険会社ならではの「事故多発地点アラート」や事故多発地点を回避する「安全ルート案内」などの保険業界初の機能を追加し、2016年10月末から本格展開しています。 当社グループは今後も事故対応やリスクコンサルティングに関するノウハウとビッグデータ解析などの先進技術を活用し、お客さまのさらなる安心・安全・健康に資する商品・サービスの提供を行っていきます。【特徴】ビッグデータ解析などの先進技術を活用し、お客さまの安全に貢献するサービスを開発しています。また、導入企業の事故の減少につながるなど、効果分析も実施しています。

業界初『富士山噴火デリバティブ』の販売開始と『噴火発生確率の評価手法』の開発 商品・サービス

損保ジャパン日本興亜はSOMPO リスケアマネジメントと共同で、業界で初めて『富士山噴火デリバティブ』、『噴火発生確率の評価手法』を開発しました。『富士山噴火デリバティブ』は、気象庁が発表する噴火警戒レベルなどの噴火関連情報をインデックスとした金融派生商品であり、噴火に伴って事業者が被る収益減少や費用の損害に備えることができる商品です。事前に定めた一定金額を迅速にお受け取りいただけるため、企業の当座の運転資金としても活用でき、事業継続計画(BCP)対策としても有効です。SOMPOリスケアマネジメントが開発した『噴火発生確率の評価手法』は、噴火が発生してからの時間経過を考慮しており、算定にあたっては、世界の噴火発生確率研究等を調査しました。損保ジャパン日本興亜は、「磐梯山噴火デリバティブ」「蔵王山噴火デリバティブ」も開発しており今後とも、噴火デリバティブの対象火山を順次拡大していく予定です。【特徴】火山活動によってもたらされた美しい風景や温泉等は、我が国特有の観光資源となっています。 一方で、日本列島各地の火山で噴火が相次いで観測されており、被害は物的損害にとどまらず、風評被害による観光事業者の収益減少等にまでおよんでいることから、噴火が企業経営に多大な被害をもたらす懸念が強まっています。 そのような事業者が噴火の発生によって被る収益減少や噴石処理などの費用の損害に備えることを目的にした、業界初の取組みです。

リサイクル部品の活用の推進

そんぽ24では、一般社団法人日本損害保険協会の一員として、限りある資源を有効利用し、産業廃棄物を削減するとともに、地球温暖化の原因となっているCO2の排出量を抑制することを目的として、自動車の修理時におけるリサイクル部品の活用推進に取り組んでいます。【特徴】リサイクル部品活用の推進を通じ、地球環境保護に努めています。

ペーパーレスのビジネススキームの実現

そんぽ24では、自動車保険のご契約手続きや変更手続きにあたっての「申込書」等を不要とし、お電話でのご申告またはウェブサイトでのご入力だけで手続きが完結するスキームや、インターネット契約の場合に保険証券の不発行を希望することができる仕組みを構築すること等により、省資源による環境負荷の低減に取り組んでいます。なお、2016年度の証券不発行のご契約の割合は44.0%でした。また、以下のスキームの導入を通じて、お客さまの利便性向上だけでなく、更なるペーパーレス化に取り組んでいます。①お客さまにお送りする振込依頼書を不要とした保険料コンビニ払(2017年2月導入)②ご契約・変更手続きの際の、お客さまからの車検証(写)等の提出不要化(2017年10月導入)【特徴】インターネットでのご契約手続きではインターネット割引、証券不発行を希望された場合は証券省略割引を適用し、お客さまにもメリットのある仕組みとして推進しています。

社会貢献活動の実施

そんぽ24では、地域の清掃活動や緑の募金活動、エコキャップ運動等の社会貢献活動に取り組んでいます。社員が社会貢献活動に参加することにより、地域社会への貢献や環境問題等へのさらなる意識の向上を図っています。【特徴】より多くの社員が賛同・参加できるメニューを選定、実施することにより、社会貢献活動の定着と社員の活動参加促進を図っています。

東日本大震災の教訓を活かした、さまざまな保険商品を開発

◆放射能汚染対策に貢献『除染賠償責任保険』東日本大震災で原子力発電所が被害を受けたことにより、現在も多くの地域に放射能汚染の影響が残っています。この対策として各自治体による放射性物質の除染作業が本格的に実施されています。2012年4月1日に施行された「放射線量低減対策特別緊急事業費補助金交付要領(環境省所管)」では、自治体が行う除染事業への国からの補助金交付にあたり、作業中の「第三者への賠償事故」「除染作業対象物の損壊事故」に対応する保険への加入が義務づけられました。これに合わせ、自治体が実施する放射性物質除染作業に関する賠償事故に対応した専用商品『除染賠償責任保険』を開発し、2012年5月から販売を開始しました。『除染賠償責任保険』の特長は、除染作業中の賠償事故に対応するとともに、国からの補助金交付基準を満たした専用保険商品であるという点です。◆自治体向け『帰宅困難者対策保険』首都直下地震が発生した場合、517万人の帰宅困難者が発生すると推計されていますが、多くの方が帰宅を開始した場合、建物倒壊などによる危険や、道路がふさがれ救助や消火活動の妨げとなることが懸念されています。そのため、東京都は帰宅困難者対策条例を制定(2013年4月1日施行)し、行き場のない帰宅困難者を収容する一時滞在施設の募集を開始し、また一時滞在施設には施設側に経済負担緩和のため備蓄品の購入支援等の対策を検討・実施しています。2013年4月に開発した『帰宅困難者対策保険』は、自治体が施設との間で結ぶ協定書のなかで、一時滞在施設開設時に自治体が施設に対して見舞金支援を行うことを盛り込む場合、自治体が負担する見舞金に対して保険金をお支払いするというこれまでになかった保険です。【特徴】東日本大震災発生後の課題の一つである放射能汚染対策の円滑な推進や、震災発生時の一時滞在施設数の支援を通じ、人命救助や帰宅困難者の安全確保に貢献する商品です。

日本政策投資銀行(DBJ)と提携し、企業のリスクマネジメントを支援

複雑かつ解決が難しいさまざまな社会的課題を解決するためには、一つの金融機関だけでなく、セクターを超えた連携による総合的な金融調整機能を通じた貢献が重要になっています。損保ジャパン日本興亜は、金融機関の連携による新たなサービス提供の一環として、DBJと提携し、企業の防災対策を支援しています。DBJの企業の格付機能を活かし、「DBJ BCM(事業継続マネジメント)格付」で高い評価を得た企業に対し、工場などの操業が停止した際の損失を補う企業費用・利益総合保険の保険料を最大で20%割引しています。さらに、防災対策を強化したいDBJの取引先には、SOMPOリスケアマネジメントから事業継続計画(BCP)の策定支援サービスなどを提供しています。このように、DBJの格付機能、SOMPOホールディングスグループの損害保険およびリスクマネジメントのノウハウを活かし、総合的な金融サービスを提供しています。【特徴】東日本大震災を受けて、各企業はBCP(事業継続計画)の策定や見直しなど、更なる防災力の向上を行い、事業継続体制の強化に取り組む中、リスクマネジメントの需要が高まっています。本取組みは、保険と融資が連携した総合的な金融サービスの取組みといえます。