活動内容

2023年度 特別賞 運営委員長賞

若手職員で構成された「課題解決型店舗」による魅力ある膳所の地域づくり
─京都信用金庫─

概要

  • 滋賀県大津市中心部南東の京阪膳所本町駅近くに位置する旧城下町の膳所(ぜぜ)エリアは、少子高齢化・人口減少が進んだ結果、商業としては衰退傾向になっている。一方でリモートワークが急速に普及し、地方移住の魅力が見直されつつある中で中長期的にはエリア外からの人口流入が期待できる地域でもある。その膳所エリアに位置する京都信用金庫膳所支店の老朽化に伴う建替え、新装開店を機に、京都信用金庫初のまちづくりを目指して地域社会の課題解決に特化した「課題解決型店舗」として2022年11月21日にオープンした。
  • 膳所支店は、「暮らす、働く、楽しむ」といった3要素で兼ね備えた50年後も元気なまちを目指して地域の人々と共に課題解決に取組み、金融業務だけではない新たなまちづくりに挑戦することが主要業務の新体制で、全職員が30歳代以下とし、若い世代の移住や新興企業の進出を期待し、顧客基盤の開拓を担う。若い発想力と行動力を活かして特産品開発や長期的な視点でまちづくりに取組んでいる。
  • 膳所支店は、琵琶湖の形をイメージしたアート作品やテレワークスペースがあるなど、今までの信用金庫のイメージとは異なるモダンなカフェのような内装となっており、まちの集会場として地域おこしに使えるよう、ロビーは集会場「クリエイティブ・コモンズ」としても使用でき、小型のテーブルやキャスター付きソファを用いて、イベントに応じて配置を変更できる仕様となっている。
  • 土日祝日に開催する地域行事の企画や運営も地域の方々と一緒に行い、まちづくりを応援するため、膳所エリアの活性化に向けた事業をされる方、膳所エリアで起業や移住を検討される方を対象に、膳所支店限定の融資商品の取扱いも開始した。いずれも対象は膳所エリアで事業を営む方、新たに事業を始める方、または対象物件の購入を予定している方に限定した商品である。
  • <膳所支店限定の融資商品>
    1. 膳所まちづくり融資:資金使途を膳所の地域活性化に限定し、通常の審査とは別に地域住民(地元名士、自治会会長、商店街会長、PTA、まちづくり委員会、まちづくり事業を行っている方など12名程度)による委員会を開き、その事業が地域にとってよりプラスになるか、の観点からアドバイスをもらい、膳所には欠かせない事業となるよう応援する融資制度
    2. ここから、はじまる膳所:膳所エリアで新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象とした創業支援融資制度
    3. 住宅ローン膳所:膳所の地域における「住」の部分に対するニーズを汲み取り、購入対象物件が膳所エリア内限定の住宅ローン

 

実績

  • 膳所支店が関与した地域イベントの開催状況
    • 54件(例:「相続・不動産相談会」「お客様が講師となったワークショップ」「小学校の校庭で畑づくり」「小学校でおばけ屋敷」「支店前で縁日」「琵琶湖畔マルシェ」「認知症カフェ」「ジュニアオーケストラ」「ポップアップストア」など)
  • 融資制度の利用状況
    1. 膳所まちづくり融資:1件5,000千円(事例:民間学童の開設資金)
    2. ここから、はじまる膳所:4件11,000千円(事例:飲食店、放課後等デイサービス、カフェ&バイク専門店、訪問看護の開業資金)
    3. 住宅ローン膳所:3件 96,500千円

 

該当原則

原則1 原則3 原則4 原則5 原則7 
原則についての説明はこちら

 

選定理由
    • 少子高齢化による人口減少や地元商店街の衰退といった日本の地域課題に対して、地域の活性化に向けた「課題解決型店舗」を開設し、新たな地域金融の役割を模索しチャレンジされている点に強く共感できる。
    • また、「課題解決型店舗」は、金融業務だけではない新たなまちづくりへの挑戦として、全職員を30歳以下で構成、窓口営業時間を短縮して午後の時間は職員全体で地域の活性化や課題解決の活動に充てる等、ユニークかつ特筆すべき取組である。
    • 職員全員が地域のコミュニティマネージャーとして、地域や顧客の課題解決に資する活動をする中で、金融業務においても地域独自の融資商品等も開発される等、今後の発展等が期待できる好事例として、運営委員長賞に選定する。

 

関連リンク

 

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