活動内容

2021年度 環境大臣賞 総合部門

本邦金融機関初「グリーン預金」の取扱い開始
─株式会社 三井住友銀行─

概要

    • 株式会社三井住友銀行は2021年4月、本邦金融機関として初めて「グリーン預金」の取扱いを開始した。グリーン預金は、お客様からお預かりする資金をESGのうち環境(Environment)分野、特に再生可能エネルギーなどのグリーンプロジェクト向けファイナンスに充当することで、お客様にESG/SDGs分野での取組機会を提供する預金。
    • グリーンファイナンスの分野は、グリーンボンド(ローン)やサステナビリティ・リンク・ボンド(ローン)など、“資金調達”にかかる金融商品を中心に発展してきたが、「バランスシートの右側も左側もグリーンにする」というコンセプトのもと、“資金運用面”でも環境対策に貢献できる機会を提供する商品を開発した。
    • 国内の預金商品にグリーン性の商品が少ないという問題意識から、海外で先行する同種の商品に着目し、開発・取り扱いに至った。その後、他行でも取り扱いが開始し、先駆者としての役割を果たした。現段階では法人向けだが、将来的にはリテール向けの取扱いを展望している。

 

      • 適格性:大手ESG格付会社である蘭Sustainalytics社(以下、「サステナ社」)の支援を得て、世界で最も厳しい欧州基準で「SMBCグリーン預金フレームワーク」を策定し、外部に公表。毎年サステナ社と見直し要否を協議する体制とした。
      • 透明性:グリーン預金を充当するグリーンプロジェクトの選定基準、第三者評価会社(サステナ社)による監査プロセスを「SMBCグリーン預金フレームワーク」に明記し、外部に公表。同行が同フレームワークに基づき適切に運用できているかの監査結果は、毎年ウェブサイトで開示予定。

 

実績

  • 2022年1月末時点で、国内外取組総額約400億円超/取組社数17社。

 

「21世紀金融行動原則」の7つの原則への対応とアピールポイント

原則(1)
  • 金融機関の主要業務である融資・預金業務の内、融資については、グリーンボンド(ローン)やサステナビリティ・リンク・ボンド(ローン)など、多様な商品ラインナップがあり、2030年までの目標額を「グリーンファイナンスおよびサステナビリティに資するファイナンス実行額30兆円(うちグリーンファイナンス20兆円)」と定めているものの、預金については、グリーン性の商品が少ないという問題意識から、預金業務におけるサステナビリティへの取組におけるベストプラクティスとして、海外で先行する同種の商品に着目。「(お客さまの)バランスシートの右側も左側もグリーンにする」というコンセプトのもと商品開発を実施。

原則(2)
  • グリーン預金でお客さまからお預かりした資金は、「SMBCグリーン預金フレームワーク」に基づき、再生可能エネルギーや省エネルギー事業等の環境に配慮したプロジェクトに全額充当しており、グリーン預金を通して、持続可能な社会の形成に寄与する環境産業の発展を支えている。また、この取組はサステナ社によって、「銀行によるサステナブルファイナンスにおける5つのイノベーション」として紹介された。

原則(4)
  • 同行がグリーン預金を提供することにより、サステナビリティに貢献したい預金者のニーズを満たすと共に、持続可能な社会の形成に貢献したい再生エネ等のグリーンプロジェクト事業者を資金面から支えている。また、2021年4月1日に当行がグリーン預金の取扱いを開始して以降、三井住友信託銀行や百五銀行にて「グリーン預金」の取扱いを開始されるなど、先駆者としての役割を果たした。

原則についての説明はこちら

 

選定理由
  • 銀行の主要業務である預金業務を通じて、幅広いお客様にESG金融に参画する機会を提供する仕組みであり、裾野の広がりを期待することができる。
  • 2021年11月末時点で取組総額約400億円の実績があり、さらなるインパクトの拡大を目指して今後も引き続き取組んでいただきたい。
  • 預金商品にグリーン関連商品が少ないという国内のESG金融の課題にパイオニアとして取組んでおり、他の金融機関へ波及し始めている。
  • 同預金のリテール向け展開ならびに国内でのESG金融商品開発のけん引役を引き続き担うことを期待し、環境大臣賞に選定する。

 

参考資料および受賞機関によるリリースは以下からご覧ください。

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