りそなのスチュワードシップ活動の深化
|2020-2021スチュワードシップレポートより
─りそなアセットマネジメント株式会社─
概要
- 個別のエンゲージメント課題の決定プロセスに「マテリアリティ・マトリックス(コロナ前、ポスト・コロナ)」という観点を取り入れ、各エンゲージメント課題に落とし込むプロセスを拡充。気候変動、ダイバーシティとインクルージョン、強制労働などの重要性を再確認し、「ポスト・コロナ」の観点を考慮した結果、「人的資本」、「コミュニティ」、「製品・サービスと社会」に係るカテゴリーの課題が、サステナビリティと長期運用パフォーマンス双方における重要性が高いことを示している。
- 資産運用会社としての気候変動対応として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース、Task Force on Climate-related Financial Disclosures)開示において、主に5°Cシナリオに即した分析を実施。
- ESG債のインパクト・マネジメントにおける「インテンション(意図)」とインパクト評価をつなぎ合わせる試みを実施。また、インパクト評価から運用戦略を導き、「そもそもりそなは何を目指しているのか」という点を表現するとともに、インパクト・マネジメントについて短期・中期・長期の時間軸を前提としたインパクトを示した。
実績
- 「りそなの目指す社会」から「マテリアリティ・マトリックス」上の各課題の重要性を確認したことにより、1つのアジェンダが意味を成すようになってきた。
- 強制労働に係る協働エンゲージメント(ICCR、KnowTheChain):りそなアセットマネジメント株式会社ではPRIにある協働エンゲージメントへの参加を通して強制労働に係るエンゲージメントを展開している。今般、「コロナウィルスへの対応に係る投資家声明」に賛同を表明し、対象企業様より対応状況についての返信が得られた。
- ボードダイバーシティ:30%Club Investor Groupでの活動の一環として、UK Investor Groupが構築しているツールキットを参考に、ダイバーシティのアウェアネス(認識)喚起に努め、個別取材を実施した15社に対しては、全社がダイバーシティに係るアウェアネスがあることを確認。
- 気候変動、Climate Action 100+:同社がリードを務める2社についてTCFDフレームワークにおける対応として、ガバナンス体制の確立が確認でき、企業からは中長期の目標設定が開示された。
該当原則
原則1 原則4 原則6
選定理由
- 幅広なエンゲージメントアジェンダを掲げつつ、マテリアリティマッピングでは新型コロナウィルスによるESG課題について視覚化を図っている。
- 5°Cシナリオに即した分析を実施し2030年には国内株式がカーボンバジェットの上限に達する旨、海外株式についてはすでに上限に達している点が明記され、本分析をもとに今後の対応が進むことが期待される。
- 短期的、中長期的な時間軸を前提としたインパクトアセスメントを整理、実施している。
- 以上のような取組が、運用機関だけでなくすべての業態の金融機関に影響を与え、日本における脱炭素社会に向けた取組が加速することを期待して、最優良取組事例選定委員長賞として選定する。
参考資料および受賞機関によるリリースは以下をご覧ください。