資 料

2018年度(平成30年度)第2回

SDGs勉強会② ~SDGsのビジネスでの可能性を探る~

勉強会の開催案内

 

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開催報告

6月5日(火)午後3時より、2018年度 第2回持続可能な地域支援WGとして「SDGs勉強会第2回」を開催いたしました。21世紀金融行動原則の署名機関を中心に50名ほどの参加があり、SDGsに対しての関心の高さがうかがえました。

 

まず環境省の田辺補佐より、参考資料として配布した内閣より発信されている「SDGsアクションプラン2018」の説明及びグローバルコンパクトとKPMGが発行している「産業別SDG手引き―金融サービス」についての説明がありました。続いて、持続可能な地域支援ワーキンググループ(WG)の金井WG座長より、2回目となるSDGs勉強会の趣旨と、講演者の紹介が行われた後、株式会社TREEの水野 氏から映像を交えた企業のビジネスチャンスと連携のために有効なツールであるSDGsの活用と金融機関の役割、独立行政法人国際協力機構(JICA)の小澤 氏からJICAが実施している中小企業海外展開支援事業の紹介と金融機関への期待についてご講演いただき、意見交換会を行いました。

 

以下に議事要旨を掲載いたします。

 

議事要旨

イントロダクション

三井住友トラスト・ホールディングス(株) (持続可能な地域支援WG座長機関)フェロー役員 兼 チーフ・サステナビリティ・オフィサー
金井 司 氏

三井三井住友トラスト・ホールディングス(株)金井 司 氏

昨今SDGsの浸透に非常にスピード感が感じられるようになった。今回はSDGs勉強会の2回目となるが、実務に近い、すぐにでもビジネスに生かせるような話をお届けし、そのあとの意見交換会を通じて、金融機関として何ができるのかを感じて頂きたい。

 

講演1「SDGsの取組意義と普及啓発~SDGsで地域を変える」

株式会社TREEトゥリー)代表取締役 水野 雅弘 氏

 

<映像上映>「“誰一人取り残さずに!”国谷裕子さんからの SDGsメッセージ映像」
  • あまり認知されていなかったSDGsのチャレンジを、言葉よりも簡潔に共有できる映像により伝える意図で制作。
  • 「地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない(アジェンダ2030パラ50)」が背景に。限界点を超えた地球の課題を、ポジティブに大きなチャンスと捉えた内容。
SDGsに関する私の結論(仮説→講演の前提)
  • 「国連に加盟する世界193ヶ国が合意した目標。企業にも大きなビジネスチャンスに繋がるもの(高い目標を掲げる、経済の視点など従来の諸条約と異なる)」
  • 「単独では解決できない複雑化した問題を解決するため、連携して事業を推進していく(=SDGs目標17)有効なツール」
自己紹介(株式会社TREE/創業30年)
  • 導入したコールセンターのコンサルティング事業を通じ金融変革に関わる。
  • 社会的事業にフォーカスする中、企業のみでなく市民の環境意識の必要性に気づき、動画を用いた情報発信(Green TV Japan)。
  • SDGs合意(2015年)以降、「環境と経済」を両輪とするエンゲージメントを重視する社会へと移行すべきと認識してSDGsの普及啓発をスタート(SDGs.TV)。
社会変化の潮流

株式会社TREE(トゥリー) 水野雅弘 氏

  • E(地球環境・社会変化):限界を超えた地球環境から生じた格差・紛争等の問題、化石燃料等従来のエネルギーの使用禁止の動き→新しい社会へ。
  • T(技術進化):環境・社会の変化への対応にはイノベーションが必要。技術が日々進化している中、企業がどう対応していくのか。
  • M(市場ニーズ):顧客の共感を得る対応への変化。安心・安全な世界のための商品を顧客と共有しながら作っていく方向への動き。
  • M(投資市場の変化):ESG投資が本格的に始動。
  • 企業のこれからの対応:投資市場の変化や化石燃料等調達できなくなる資源、企業が「リスク」をどう認識し、新しい市場での「チャンス」として優位性を確保するか。革新的な変革(イノベーション)が必要(軌道修正ではなく変革(SDGs(2030アジェンダ)「Transforming our world(我々の世界を変革する)」)。
  •  諸分野で予測される移行。エネルギー分野では、従来の発電から送電系統連系における変革に移行。エネルギー生産が、地域の自立を担う地域電力会社の役割になる可能性も。
有効なツールSDGs
  • 小さな会社の技術もSDGsにより「未来を見据えた技術」と評価される。企業の優位性の確保に繋がる。
  • 単独では成し遂げられない目標達成には連携(協働パートナーシップ)が必要。共通言語SDGsが連携を繋ぐ。SDGsの理解、使用により世界と繋がることも可能。
  • 地域経済でのSDGsの有効性。北海道の事例(道東SDGs推進協議会)紹介。
  • 札幌市のSDGsを活用した環境基本計画とそのキックオフシンポジウムでの札幌市長メッセージを映像化、国連レセプションで上映。
  • 道東では、映像も用いたSDGs勉強会後、2ヶ月程で道東SDGs推進協議会が発足。競い合ってきた地域(自治体)が、公益面(持続可能な酪農・水産業、観光)で一致団結。信用金庫等の参画も。SDGsの「繋がる」力。
  • 札幌の企業が開発した除菌洗浄剤がSDGs目標9と11に合致すると評価され、国際連合工業開発機構(UNIDO)がWEBサイトにて紹介。企業の技術が世界に繋がるだけでなく国内での連携も形成、資金調達力・技術研鑽(=技術イノベーション)に繋がる。
  • 「SDGsを学ぶ」ではなく、「SDGsで〇〇を変える」と置き換え、今までとは違う視点を得る。SDGsを「自分ごと化」するためには、知識ではなく考えて心で腑に落ちることが必要。金融機関にとっては、その役割を認識して、地域・クライアントと共に新事業を起こしていく自発性・創造性が必要になる。
<映像上映>『食料廃棄世界一の国はどこですか』
  • 世界最高レベルの日本の「食料廃棄」。日本の責任は重大。世界人口90億人超え(2050年)が予測される中、単なる環境対策ではなく、日本が持続可能な農業や水資源管理により、「食」や「水」をどう確保としていくのか。
  • SDGs目標12(生産者と消費者の責任)では、具体的な目標として2030年までの「世界全体の一人当たりの食品廃棄」の半減が記載され(ターゲット12.3)、具体的な数値もある(グローバル食品ロス指標(GFLI)(指標:12.3.1))。すべてのターゲットには同様の指標が設定。
  • 目標達成には、「食料」のみでなく、関連する「水」、さらに「森林」等、他の目標との関係や連鎖を考えることが必要。「負」ではなく「正」な連鎖をどう作るのか。
SDGs「正」の連鎖を作るために(SDGsワークショップ)
  • 映像を用いた3つのステップにより「考え」、「自分ごと化」するSDGsワークショップを実施。
  • 映像を題材に、最重要な目標(=起点)を設置、その解決が他の目標にどう影響するか(目標の繋がり)を考え(ステップ①)、課題解決のための事業を計画(ステップ②)。誰とどう連携していくか話し合いながら(ステップ③)、「自分ごと化」する。
  • ネガティブ・インパクトで捉えている現在の地球の課題(「人口増加・格差拡大・資源収奪→森林伐採・紛争等→気候変動問題の悪化」等)。この「負」の連鎖をどのように「正」の連鎖に切り替えるのか。
  • 映像「食料廃棄世界一の国はどこですか」での「正」の連鎖の例。食品ロスをなくす→作物の無駄がなくなり、魚の乱獲がなくなる→廃棄物焼却が減り温室効果ガス削減・廃棄していた食料によりODA支援以上の食料支援に繋がる。複数の目標達成に繋がる(SDGs不可分性ワーク)。
  • 「負」の連鎖による課題解決(目標達成)が他の目標へのポジティブ・インパクトに繋がり「正」の連鎖に変える。様々なゴールへの繋がりの理解を映像と組み合わせて実施。
  • 「SDGs NOW! 17 Goals to Transform Our World」(ジャパンSDGsアワード受賞団体を題材に日本国の取組を海外発信するため外務省の依頼で制作した映像)のために北海道 下川町を取材。起点となる目標15(陸域生態)、バイオマスエネルギーにより達成を図る目標13(気候変動対策)のみでなく、様々な目標に繋がり、SDGsの発信が、資金調達や革新的な技術に繋がり、下川町の持続可能な豊かさ(目標9・10)に繋がる可能性がある。地域資源によるエネルギー生産にSDGs視点を加えた効果。
いま、金融機関の役割を考える
  • 地方創生、地域振興、特に新産業のSDGsを活用した創出。
  • グローバル企業だけでなく中小企業がグローバルにチャレンジしていくためのESG投資やSDGsの役割。
  • 社会課題の解決する際には金融機関にとっての大きなチャンスがあり、そのチャンスを生かす有効なツールとしてSDGsがある。
<映像上映>「ESG投資で持続可能な社会へ」
  • 日本のESG投資のリーダー、GPIF高橋理事長に、SDGsとESG投資についてお話をうかがった映像。
最後に(メッセージ)
  • 異なる価値観を背景とした多様な立場の人々の協働には、金融機関がどれだけSDGsを理解してビジネスに生かしていくかが重要。そのためのスキルも必要となる。
  • オープンなSDGs.TVを視聴、ディスカッションして、自治体や市民団体等に連携を呼び掛けた新規事業の創出をご検討いただきたい。

【講演②】「⽇本の技術 世界を変える―ODAを活⽤した中⼩企業海外展開⽀援」

独立行政法人国際協力機構(JICA)国内事業部 中小企業支援事業課 小澤 真梨奈 氏

1.国際協力機構(JICA)とSDGs

●国際協力機構(JICA)
  • 青年海外協力隊だけではなく、JICAは開発途上国での貧困や難民、気候変動等の様々な課題の解決に取り組んでいる。
  • 具体的には、専門家派遣等による技術協力、長期間・低金利の融資となる有償資金協力、貧困レベルが高い途上国への基礎インフラ整備等の無償資金協力、青年海外協力隊等の市民参加協力、災害被災地への国際緊急援助隊、そして本日のテーマとなる民間企業との連携といった事業を展開。
  • 事業規模:東南アジア、南アジアの割合が大、全体で年間1兆円を超える規模。
●持続可能な開発目標(SDGs)とJICA
  • JICAは、MDGs(ミレニアム開発目標。SDGsの前身)よりそれらの課題解決を重要視。特にSDGsにおいては10のゴール(②飢餓・栄養、③健康、④教育、⑥水・衛生、⑦エネルギー、⑧経済成長・雇用、⑨インフラ・産業、⑪都市、⑬気候変動、⑮森林・生物多様性)の解決で貢献する方針としている。
  • 国内外のパートナーと共にイノベーションを図る。中小企業海外展開支援事業は比較的新しい事業で、金融機関等とも連携して取組んでいる。

2.中小企業海外展開支援事業

●JICAの中小企業海外展開支援事業とは
  • 途上国の開発ニーズと企業の技術のマッチングを支援。途上国の人々への裨益を最重要視しながら、互いにwin-winの関係になるように事業を展開している。
  • 具体的には資料の「開発課題の解決に資すると考えられる製品・技術の例」の「具体例」を参照。身近な技術・製品による途上国での課題解決を図っている。地域金融機関の顧客企業の事業もほぼ同様でないかと考えている。途上国の課題解決に繋がるならば、想定外の分野(IT等)でも採択。
●JICAの中小企業海外展開支援事業メニュー

独立行政法人国際協力機構(JICA) 小澤真梨奈 氏

  • 基礎調査」、「案件化調査」、「普及・実証事業」の3つのスキームを中小企業(一部中堅企業)に提供。
  • 基礎調査:海外展開前段階で、現地での基礎的な調査が実施可能。
  • 案件化調査:具体的な事業立案のための調査。ODA事業へ繋げるための調査も可能。
  • 普及・実証事業:実際に製品等を現地に導入し、実証活動を実施。ビジネス展開前に生じる課題を把握し解決していくことが可能。
  •  基礎調査~普及・実証事業、応募数が増え倍率が増加しているが、途上国の課題解決に資する事業は積極的に採択したい。
  •  人件費(外部人材活用費)は、コンサルタント等での外部人材の活用いただけるよう想定している。
●事例「安全・高品質・衛生的な医療酸素の供給体制に係る普及・実証事業(ミャンマー)」
  • 徳島県の医療用を含む高圧ガスの安定供給、機器・設備の販売を行う中小企業が、医療用酸素が十分でないミャンマーの課題を同社の技術により解決を図る事業。
  • 医療酸素の切り口からSDGsのゴール3「医療の改善」に取り組んでいると言える。
●事例「脆弱な通信環境に対応できるeラーニングシステムを使ったITEE対策講座の普及・実証事業(バングラデシュ)」
  • 宮崎県の情報・教育コンテンツ制作・販売を行う中小企業が、バングラデシュの脆弱な通信インフラ環境下で活用可能な動画コンテンツ作成ソフトを導入してICT人材育成に繋げる事業。
  • 事業の中で発覚した、IT人材の受け皿が市場に少ないという同国の課題に対し、宮崎市や宮崎大学と連携し、人材受け入れを開始。地域にも貢献。
●これまでの実績と事業の継続状況
  • 2012年度から開始、666件採択、農業や環境エネルギー分野が最多だが、福祉分野等も採択されている。事業実施地域としては、東南アジア、南アジアが最多だが、アフリカも徐々に増加傾向にある。
  • 事業実施後、8割の企業が事業継続。
  • 継続できている理由:製品・サービスと現地ニーズの合致、普及・実証事業実施の効果の他、JICA事業での現地政府機関を巻き込みパートナーを確保している点も継続への貢献に繋がっている。
  • 断念した理由:日本製品が高価であるため、コスト・価格が現地に適応しないという理由が最も多い。現地での製品生産等、コスト軽減策も今後の検討課題。同様に継続資金確保面が多く挙げられる。事業展開前の支援として実施しているため、JICAとしては継続資金の支援は難しい。この点については、金融機関からのご協力をいただきたい。
  • 継続のために:断念した理由・要因の回避案として、調査におけるビジネス計画立案能力の高い人員の確保、参画が1位となっている。計画立案から金融機関に関与いただくことも有効か。また2位の回避案として他の支援機関からの支援の必要性もあり、金融機関からの支援も重要。

 

3.金融機関連携

●JICA 金融機関連携の取組み
  • 中小企業の情報を最も有している組織の一つである金融機関との連携に、2016年度より取組んでいる。事業に合致する日本の中小企業の掘り起こしと、事業後の海外展開での資金面での支援が目的。現状(2018年5月現在)、45の地域金融機関と覚書締結。
●地域金融機関との連携イメージ
  • JICAのメリット:スムーズな中小企業への支援体制整備、金融機関のメリット:融資機会の拡大と海外ネットワークの構築。目標に双方のメリットを置き連携。
  • 段階毎の連携のイメージ:①【応募前】金融機関を通じた顧客(企業)へのJICA支援制度の認知、コンサルテーションへの金融機関の参加、②【事業実施中】金融機関からの外部人材の事業参画・金融視点導入、支払い前の繋ぎ融資(前払い保証)、報告会への金融機関参加、③【事業終了後】JICA事業後も引き続き融資、等
  • 事業前段階の連携は進んでいるが、出口となる事業後には課題が多い。調整中の事業後のスムーズな海外展開への流れについてご意見をいただきたい。

【意⾒交換会】SDGsを活用したビジネス開拓―具体的な活用方法と金融機関の役割

JICA事業におけるSDGsの位置づけ。企業からの応募内容にSDGsが組み込まれていたら採択へ効果があるか?実施事業においてSDGsによる製品の訴求力向上等の効果は見られるか? 途上国の人々はSDGsをどのように認識しているのか。(WG座長)

  • JICA小澤氏

– 現段階で、中小企業支援事業においては、特にSDGsを審査時に重視する等は明言していない。最重視しているのは、途上国での課題を解決できる製品・技術・サービスなのかどうかである。

– ただし「開発課題解決に資する製品・技術の例」で挙げた9分野は、基本的にすべてSDGsのいずれかのゴールに当てはまると考えている。SDGs目標達成に向けた事業は、現地課題解決に向けたJICA事業にふさわしいと認識している。

– 必ずしも現地の住民がSDGsに詳しいわけではない。しかし開発業界ではSDGsは重要ミッションなので、支援等を享受する側の現地政府は十分に認識しているのではないかと考えている。支援側、被支援側のいずれにとってもSDGsは重要な位置づけにある。

 

ESG投資の中小企業や地方への広がりを懸念する声があった。JICAの中小企業や地方へのフォーカス、金融機関との連携の発想、実施している事業は大変素晴らしいが、日本企業はパートナーシップが苦手である。パートナーシップの重要性の強いインプットがあれば、今後の展開が容易になるのではないか。(会場からの意見)

  • WG座長

– SDGsの地方での普及については、多くの参加者がSDGsを知らなかったが勉強会終了後2ヶ月程で「SDGs推進協議会」が道東で発足されたことを水野氏が紹介。

 

  • TREE水野氏

– 従来からの途上国への日本からの技術移転の認識に、新しくSDGsの視点を加えることで、埋もれている地域の技術が世界ではニーズがあるとの発想転換があった。単なる転換での加算ではなくそれ以上の掛け算。日本一の酪農があるものの後継者不足の道東では、食料安全保障、持続可能な農業経営を図るためのロボット化等新しい技術が必要だが、その試みが世界にも提供でき、地域に資する可能性。希望が湧く。

– SDGsをハブとして活用し、金融機関がリードするパートナーシップへの期待もある。金融機関とSDGsにより、従来の技術に新たな活用価値が生まれたとの声は多い。地域には膨大な可能性が眠っている。

 

金融機関には新発想を自ら出すイメージがない。繋いでこれまでにないものを創造したり新たな視点で見たり、金融機関にそうした能力をつけさせることができるか。(会場からの質問)

  • TREE水野氏

– 確かに金融機関から創造性豊かな自発的な発想はあまり出ないイメージがある。志は高いが得意ではなく苦手。

– 多様なセクターによる議論の場を設け、金融機関はその専門性をもって参画。金融機関がリード、コーディネーションする役割を担う方が現実味あると感じる。

 

  • JICA小澤氏

– イマジネーションが豊富なのは、現地でニーズを把握し素早く動く企業(特に中小企業)だろう。中小企業に対しての臨機応変なサポートが、JICAにも金融機関にも重要ではないかと認識している。

– 仮に金融機関にとって新しいイマジネーションが苦手でも、企業から出す数値等の情報を基に案件や事業を評価、融資に向けての審査等で支援いただきたい。

 

  • WG座長

– 金融機関に応募前等、早い段階から事業に関わって欲しいとのお話だったが、早くから関われば、イマジネーションはなくても、事業の発展性の把握に繋がるし、事業後に金融機関内で融資等を検討する際の説明材料にもなるのではないか。

 

  • JICA小澤氏

– 事業に関われば、確かにアイディアも湧き易いだろう。比較的新しいJICA事業なので改善の余地は多い。仕組みも改善したいし、そのためにも金融機関からアドバイスをいただきたい。

会場の様子

会場の様子

 

国際共通キーワードであるSDGsを、地域金融機関においてどう位置づけるか、環境省のESG金融懇談会で議論されている。上場企業であれば、ESG投資家に訴求するために、グローバル共通言語SDGsの取組への活用は非常にクリア。対して地域に密着する金融機関のSDGs活用に関しては意見が割れている。地域金融機関の本質である地域経済活性化の努力を、SDGsで意味づけ、上場している金融機関であれば、ESG投資家に訴求することが可能なのではないかとの議論も出ている。
今回の講演で、映像の有効性を共感。言葉を重ねるより、地域にコミットする金融機関の取組こそSDGs実践だとSDGs.TVで映像化していただけるとイメージしやすいのではないか。(会場からの意見)

  • TREE水野氏

– 事業の目に見えないポテンシャルを可視化、それ以上に価値化するのが我々の取組。

– 講演で扱った議論の多くは海外に向けたアクションだったが、道東に関する話は、SDGsの発信により、世界に技術を売るより、まずは足元の地域振興、地域創生の実践、それをサポートする金融機関の取組の可視化についてだった。世界に発信することで、地域金融機関の評価が向上、地域に循環経済圏が生まれると思う。

– 技術を世界に伝えることも重要だが、地域連携そのものの映像化にも取組んでいきたい。地域金融機関の取組は知られておらず、短時間で伝える手段としての映像は非常に有効。

 

JICA事業は、金融機関が取引先企業の海外進出をサポートする際に、とても良い制度。外部人材に関しては、金融機関よりも通常関与がないコンサルト等の専門家にJICA費用で参画いただき、金融機関として事業をサポートする方が良いと思う。

金融機関職員が、担当する取引先企業にJICA支援制度を紹介、企業の海外事業拡大に専門家にも参画いただいて貢献できるかも…と期待値を上げて応募、ただし不採択となると、支援制度自体が維持できない。可能であれば、応募前に金融機関からJICAに実現可能性を相談できる予備審査のような仕組みがあれば尚良い。(会場からの意見)

  • JICA小澤氏

– ご意見の通りだと思う。

– 協力する金融機関や外部コンサルタントの方は、客観的かつ第三者的に実現可能性を判断する目を持っていると考える。JICAが実施する応募前のコンサルテーションに、事前に金融機関にご相談いただくことも可能。事前相談により、金融機関から取引先企業に説明いただくことも個人的に賛成。連携方法の可能性の一つ。

 


  • 会場からの感想

– SDGsの認知度はあまり進んでいないと感じる。地方ではSDGs関連の投融資の話もあり、東京だからかもしれないがそうも言っていられない。

– SDGsの目標達成のための金融機関によるビジネスに繋げる企業支援において、情熱と顧客情報こそあるが、ご意見があったようにクリエイティブな人材は金融機関には少ない。所属機関では外部の専門家と連携するのが通常のビジネスモデル。JICAとの連携も検討していきたいので、また情報等をご提供いただきたい。

 

  • 会場からの感想

– 地域金融機関として、クリエイティブなことはできないからこそ、いろいろと連携して、他の力をお借りしながら、商品等を提供してきた銀行である。

– SDGsを活用した取組は、地域や顧客のためにこれまでやってきた事そのものではないかとも思っていたが、今日の講演をうかがい、企業活動を可視化できるフィルターとしてSDGsを取引先に提供、また自身の金融機関の取組も対外的に可視化する手段としての活用もあると感じた。

– JICAとの連携も大変参考になったので、取引先企業に紹介していきたい。

 

  • TREE水野氏

– いまご感想をくださったのは、まちエネ大学においてご賛同いただいた銀行。一緒に島根での再生可能エネルギー、バイオマスエネルギーを活用した地域振興をテーマにワークを開催、島根・鳥取から多くご参加いただき、事業化した会社もあった。

– そのSDGs版として、島根・鳥取で、勉強会やワークショップを開催したい。

 

  • 会場からの意見

– 地域共創を扱っている。SDGsをゴールというよりスタートとして認識。

– 従来の金融機関の役割を、集めたお金を貸し付けることだという認識は改める必要があり、「モノづくり」までいかずともその視点は必要だと考える。

– 森林信託の導入を今年になってリリース、商事信託も行っている。林業再生や所有者不明土地防止が目的。いくつかのSDGs目標に絡む。

– 地元住民・企業が求めるところを忖度し、金融機関自体が何を目指すのかを考えるべき段階。

 

  • 環境省からの情報提供

– 来年日本にて開催予定のG20に加え、金融行政方針でのSDGsの明文化により、金融機関を取り巻くSDGsとESG投資の動きが加速化。特に2018年4月以降、動きの活発化を感じている。

– ヨーロッパ諸国での政府規制を受け、SDGsにコミットした投融資、ESG投資の流れの波が日本にも押し寄せてきていると感じている。

– 金融業界を取り巻く環境は、高速での変革が考えられるので、引き続き持続可能な地域支援WGには情報提供していく。

 

  • WG座長

– 地域の中小企業がもつ技術のプロモーションビデオをSDGs.TVで制作、JICAが現地に持ち込むということは可能だろうか。

 

  • TREE水野氏

– もちろん可能。単なる技術紹介ではなく、その技術がSDGsのどの目標、ターゲットに繋がるか、短いストーリーで制作したほうが理解しやすい。その動画をJICAが現地に持ち込めば、採択前の現地ニーズの明確化も可能ではないか。技術や中小企業を応援する金融機関の価値化を含めることも可能。

 

  • JICA小澤氏

– 今回いただいたご意見等を、今後反映していきたい。

– 途上国がより良くなるようJICAは取組んできたが、中小企業支援等、民間連携事業が開始され、途上国はもちろんだが、国内にも良い影響が多いとの意見をいただいている。金融機関にサポートしていただければ、中小企業、JICA両者にとって、事業をスムーズに進めることができる。

– SDGsは大きなフレームだが、解決するための製品・技術を持っている中小企業にご応募いただき、金融機関には事業後の融資も含め支援していただきたい。

 

2人のご登壇者に対する拍手、WG座長からの言葉により終了。

以上

 

【参照:TREE上映映像URL】※SDGs.tvの映像は登録(無料)とログインが視聴に必要

 1. <上映映像>「“誰一人取り残さずに!”国谷裕子さんからの SDGsメッセージ映像」

 

  1. <関連映像>「SDGs持続可能な地域づくり~世界が憧れる札幌を目指して~」

       ※札幌でのシンポジウム(2017年6月)での札幌市長メッセージ

 

3. <上映映像>「食料廃棄世界一の国はどこですか」

 

4. <上映映像>「ESG投資で持続可能な社会へ」

 

5. <関連映像>「SDGs NOW! 17 Goals to Transform Our World」(外務省)

 

 

勉強会の開催案内

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